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アメリカ若者(Z世代)から見た大統領選

12月14日、アメリカ大統領選挙が決着がついた。民主党候補のバイデン氏が選挙人数306人を獲得して正式に勝利した。投票日から1か月以上たった後のことだった。しかしこの大統領選挙で新たな発見があった。基本的にバイデンの支持層としては富裕層から大都市で暮らしている中年齢層がメインであり、トランプの支持層は地方の労働者がメインであった。しかしここで若者が支持する人はバイデンでもなく、トランプでもない。バーニー、サンダース氏とアレキサンドリア、オカシオ=コルテス(AOC)氏である。アメリカの若者の意見としてはバイデン氏を支持していないけれど、トランプを排除することを第一に考えてバイデン氏に一旦入れて落ち着かせて、その後でサンダース氏やAOC氏に大きな改革をしてほしいと思っている。「Settle for Biden」という言葉があるほど今若者ではムーブメントが起こっている。 なぜこのような流れになっているのか考えていきたい。

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          写真はサンダース氏(右)とAOC氏(左)

まずZ世代という言葉を説明すると、基本的に1990年代中盤から200年代序盤の生まれた人の事を指す。カナダの統計局のよると1993年から生まれた人がZ世代であると定義している。これらの人が支持している候補者がサンダース氏とAOC氏である。この2人の候補者はアメリカの党の分類によると民主党左派にあたる。この図は2016年であるが、このクリントン氏とバイデン氏の位置は同じであると考えてよい。

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サンダース氏は民主党の中でもバイデン氏とは違う位置になっている。このサンダース氏やAOC氏たちが所属している民主党左派の意見としては国民皆保険を全国民に適用させることや気候変動にもバイデン氏より積極的に取り組み、また性的問題、人権問題に取り組み、人の平等を実現しようとしている。特に今人気のあるAOC氏は若者に対して政治を身近なものにしてそしてわかりやすく説明している。そしてほとんどの若者が言っているキーワードが1つある。それが「Democratic Socialism」である。訳すと民主的社会主義で、この言葉をAOC氏は現代的でモラルがある豊かな社会のことであると発言している。統計調査によるとミレニアル世代で70%、Z世代で65%の人が社会主義者の候補者に投票している現実がある。そして1942年は25%の人が社会主義に対してよいイメージを持っていたのに対して2019年は43%の人が社会主義に良いイメージを抱いている。この流れを率いているのがサンダース氏であったりAOC氏であるといえる。この民主的社会主義は20世紀のソ連やキューバを目指すのではなく、今の北欧やカナダの社会福祉が豊かな国を目指すべきであるという意見である。

このようにアメリカの若者はサンダース氏とAOC氏に熱狂的な支持者が急増している流れである。これが2035年になるとミレニアル世代とZ世代の割合が過半数を超えてくるためアメリカの未来はこの民主的社会主義にあるのではないかと考えている。それは今北欧やカナダが実行していることであり、このような国家を創ることが出来るのかはこれからのアメリカの若者にかかっている。

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