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5年前の問題意識とこれからの問題意識

5年前、FBのnote機能にこんなこと書いていた。
基本的にはこの問題認識と変わらないのだが、コロナを見据えた今後にはこの問題意識でよいのか。自分自身を振り返ってみた。そして、下の方に書いているが「私がやりたいこと」は、確実にアップデートしなければならない必要性に駆られている。そのあたりは明日の記事で書こうと思います。

<5年前の自分の記録>
自分自身は農業界の中で、第一次産業に対して何を働きかけていくことができるのか、地域活性化・まちづくりといかに関わるのか、そもそも僕は何を目標としているか、今までの思いとこれからについての方向性をしっかりと記しておきたいと思います。

問題意識<食>
・百貨店鮮魚売り場にいた時代、「魚を丸のまま買うお客様が明らかに減っている」ことを痛感→料理ができない、料理をしない人が多くなってきている
・酒売り場にいた時代「日本酒や焼酎の違い、特長を理解している人が少ないことを痛感。そもそも飲まない。若い人は特にアルコール離れ。醸造アルコールなどへの誤解、拡大解釈が多い(三倍酒の名残も確かにあるが)」
・食品に関して、テレビ報道を中心にした情報の丸のみ、誤解、偏見が多すぎる(あるある大事典納豆事件等)
・食品についての規制が市町村レベルでまちまち、また現状に沿っていない法律。消費者の知識やメーカー、小売店の知識が追い付いていない
・生産者のやる気をそぐ減反政策、補助金政策。JAなどの組織は悪い意味での農家の横並び政策しかできない(突出した優秀な農家を作れない、支援できない)
・林業の今後のビジョンがない。山をかこって猪鹿蝶、もとい猪鹿猿が来られないように獣害対策しても、山は荒れる→台風・大雨に弱い山を積極的に作るだけ
・鮮魚売り場時代、外国に魚が買われて日本のバイイングパワーが弱くなっていることを実感(卸価格でサーモン、エビなどが年々高騰している事実)
・そもそも日本人自身が日本酒をはじめ「和食」とはかけ離れた日常の食事をしている。子供もその味に慣れきってしまっている。

要するに、

・消費側→日本食文化を理解し、担い手となるべき人が減っている
・生産側→将来ビジョン・グローバル視点なき第一次産業政策

が、片桐新之介の問題意識です。

問題意識<まちづくり>
・自分が「住む」街との関わりが少なくなっている(マンション住民。寝に帰るだけ。子供も幼稚園はまだしも、小学校から別の地区へ通学。そもそも街の歴史を教えてくれる人もいない。自治会などの手間からは関わりたくない人が大多数、むしろ関わろうとしても、どんなところに窓口があるのか知らない。)
・まちづくりってなんだろう?そこがまず明確でない。人口減少を食い止める?ハコモノを作る?目的と手段がバラバラ。
・行政のビジョンがない。「豊かなまちづくり」を標榜する市町村は山ほどあるが、、、違いは?「公平性」が求められる行政やそういった組織では、思い切ったことはできにくい。
・地域に関して、テレビ報道を中心にした表面的な成功情報が闊歩している。「デザイン」だけでは街は救えない。経済的効果を生むことが一番大切(もちろん、デザインからの経済効果を産んでいる事例は多いが。それに継続性がいかに生まれるかは、地元の人の熱意が必要。ただ、「なんかアート的なことやれば地域活性化になる」と勘違いしているのが多くなってきた)。
・地域の「特産物」を主軸にすべきという誤解、「こういうものが(都会で)売れる」偏見が多すぎる(売れないものは作っても仕方ない。都会のニーズをしっかり拾うべき)。ブランディングしたところで売れないものは売れない。6次産業化に頼るのは幻想。
・何もないのが田舎の良さではない。何かがないと、人は結局来ないしそれがないと経済的に成り立たない。たくさん儲けるのではなく、持続可能性を持つ経済活動を産まなければ街は救えない
・景観(都市計画・道路計画)、観光(許認可、旅館業)についての規制が市町村レベルでまちまち、また現状に沿っていない。景観を見に来ているのに、古き街並みに新築マンションが立ち上がったり、広告の看板などで「残念な」観光地が出来始めている。消費面では観光客のニーズに対して、旅館組合、旅行協会、小売店(土産物屋)などの知識が追い付いていない(結果、海外観光客が増えているのに経済効果が上がらない。)

では、これをどうしていくべきか?

第一次産業、地域活性化というものへの意識を変える取り組みをしたいということ。

片桐新之介でしか(もしくは他数名しか)できない(やらない)対策としては、「これまで地方や、第一次産業・地域活性化についての関心が高くなかった人の興味レベルを上げる」

具体的には

①観光農業の推進による、生産者と消費者のつながりづくり推進
「日常のレジャーの一つに観光農業を」
土と触れることは心の安らぎにもなります。作物が育つ、それを食べるという感覚は、物に対する感謝の念を育てます。週末、ご家族の、ご夫婦の(もちろん独身者も)楽しみに地方での農業体験が当たり前のようになる。そんな世の中を目指します。気軽に参加できる農業体験会をします。

都会の人が地方に行く仕組み、農業体験会はいくつもありますが、活性化・継続していない理由があります。それは、その会が仕組化されていないことと、地方が一枚岩になっていないことからです。農繁期を避けつつ、現金収入ができる体験会の仕組み作りをするとともに、ムラ意識も変えます。自分たちで工夫をしていくとで、消費者とつながることができる(ファンができる)→販路開拓。それを地域ぐるみで行うことが、活性化、継続化の胆だと思います。
この仕組み作り、地域ぐるみでの取り組みが軌道に乗るためには、最初の火付け役と進行役が必要です。地元の人に火がつけば、その役目から引退できますが。
「都会の人が数多く訪問に来てお金を落としてもらう形づくり」と「行政の枠に頼らないかたちづくり」をめざして、現在では宮津や京丹波、奈良、和歌山などで、観光ツアーの策定、農業体験学校開校支援、海外の農業研修生受け入れ・日本人との交流企画など、地域ごとの狙い・問題によってただの体験だけでなくさまざまな形を計画中。
これをコーディネートすることは非常に難しいです。しかもすぐお金になりません。でもこの事業には都会の生活者の視点も必要。地域が体験してほしいことと、都会からの人が地方に求めるニーズを調整する役割として僕がいます。

②日本食文化の若い担い手を作ることと、日本食のグローバル進出支援

海外で日本酒を、焼酎を語れる人になろう!特に、若い人にその魅力を知ってもらうこと。
日本のお酒は世界に誇る技術レベルから生み出され、また多くの人を引き付ける味があります。それなのに、日本人が日本酒を飲まなくなっています。これは誤解を恐れずに言えば、ビール会社の営業努力にたいして日本酒業界の取り組みが負けていることでしょう。
日本酒と料理の相性をしっかりと語れる、そしてその品揃えができているお店を何軒知っていますか??多くの人が、10件も知らないでしょう。消費者に日本酒、焼酎の素晴らしさを伝えることができる人が少なっていることをもっと問題視すべき。飲食店コンサルティングをやる理由は、ここにあります(さらに現実的なことを言うと、飲食店はビールを売るより日本酒、焼酎を売る方が儲かりますチェーンのように大きなバイイングパワーを持つ居酒屋はいざ知らず)
現在やろうとしているのは学生団体と繋がり、日本酒や焼酎を海外に行く前にその特長を知っていただけるようなイベントです海外から来た留学生にも日本酒の魅力、焼酎の特長をしっかりと味わってもらえるイベントにもつなげようとしています。すると自然と地域の食文化にも興味が行くはずです。合わせて、アルコールの危険性講習も行っていきます。

最終的には、
③大学や高校に「地域文化研究」の授業を必修化させます。
地域の歴史だけでなく、食文化研究者、飲食店、酒蔵、食品メーカーのキーマンが、大学生にその地域の歴史と伝統を教える授業です。食文化だけでなく、地域によってはお祭り、陶芸、工芸の色が濃くなるところもあるでしょう。もちろんそれもいいと思っています。全体的なコーディネートと、各大学へ食文化、酒知識にたけた人を派遣する役割を担うようになりたいと思っています。合わせて、60歳以上の人にこの授業を解放します。表向きは「地域を知ろう!第二の人生の活躍場所作り!」ですが、本当の狙いは彼らの再教育につなげます。
このままでは、日本の地方は全て壊滅します(その流れで、若者に負担押し付けた国債の金利が払えなくなり、日本が破綻します。アメリカの国債金利が上がれば、日本の国際が全て手放されます。すると日本の国債金利も上昇せざるを得ず、金利が払えなくなります)。それでいいなら構いませんが、でもそうはしたくない、という人がいると思っております。すべての地方(特に中山間地域)を守ろうとは思いません。莫大なお金がいります。そもそも、先の広島の水害じゃないですが、わざわざ人がすめないところに住んでいるとこは問題です。適正な地域持続性と、地域と都会のバランスのとれた関係を作り上げることが使命だと思っております。

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