『三日月ドロップ』
はぁーーー…っと、
私の心が天井を突き抜ける
細くて、弱くて、ちぎれそうな、声の心電図
3歩先の虹を渡っている自分らしき人に流す
小さな音を立てて、歪な荒い波を立てて
哀れなる三日月が私の頬に手をあてた
つーっと流れそうなドロップ。流れても良いんだって。さ。
「おやすみ」を言ったら、明日には「おはよう」があるのか?
知らないけど、今はドロップを舐める。
虹の上で手を振っている人の口は動いていない
が、目の形は、半分床を切り取った月
『モチモチの木』を暗唱しようとして
閉じられそうな目をこすりながら教科書と一緒に歩いた夜
背中を丸めて後ろ足で耳をかく仕草が好きだった
小さい頃一緒に住んでいた犬に、子守り唄を歌ってきかせた物置きで、雷が鳴っていた夜
ドロップをガリっと噛んだ。
下をみると、大きな水たまり
2024.7.2
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