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自分の意見はちゃんと伝えていい。でも、伝え方はやさしく(#高校生レポート)

はじめに
このインターンシップレポートは、NPOカタリバ Rootsプロジェクト(外国ルーツの高校生支援事業)が展開するRootsインターンに参加した高校生の体験をまとめたものです。

日本社会での進路を自分ごとに
「外国の人」ときくと、海外から来る外国人(旅行者や留学生等)を想像する方が多いかもしれませんが、今、日本の子どもたちとともに育つ外国ルーツの子どもたち(両親、またはそのどちらか一方が外国出身)が増えています。親の事情で来日した子がほとんどですが、環境の変化に前向きに、そしてしなやかに向き合っています。
多様な教育背景をもつ子どもたちの日本でのキャリア形成は、まだまだ事例が多くはありません。彼・彼女たちの目線で日本はどう見えているのか、そして今まさに越境を体験している高校生から、これからの未来について、この記事を読んでくださっているみなさまとも学んでいけたら幸いです。

インターン概要
「社会をにぎやかに!」のビジョンを掲げ、国内トップシェアのインターネット回線取次事業を展開している株式会社ALL CONNECT(以下、オールコネクト)の社員さんへの取材を行いました。経営戦略室、広報部、営業部それぞれに活躍している方々に、今のキャリアに至った経緯や仕事のやりがいについてインタビューさせていただきました。

▼▼以下、高校生によるレポートです▼▼


自己紹介

4年前(中学校3年生の時)にネパールから来ました。Sです!都内の工業高校に通う高校3年生です。飲食店でアルバイトをしています。私の趣味はバドミントンです。みんなよろしくね。

初めて日本に来たとき、空港から電車に乗ってめっちゃ揺れて怖かったのを覚えています。今はなんで怖かったのか思い出すと笑っちゃいます。日本のことをなにも知らなかったから不安でした。周りの人がみんな日本語で話しているのを聞いて、すごい難しそうで、これから日本語を覚えていけるのか、と不安でした。

今はもう不安はなくなった!日本語を話せるようになったし、電車にも慣れたから(笑)もう大丈夫。

ネパールと日本で重ねてきた経験を、自信をもった姿で語るSさん

日本で暮らす不安はなくなったけど、働くことはイメージがつかなかった

去年、体調不良になって学校で実施するインターンプログラムに参加できなかったから、(今回カタリバのイベントのことを知って)行こうと思いました。来年就職するから、会社に入ってからのことで不安なことがいくつかあってそれを質問したいと思ったのもあります。昔、友達とトラブルになったことがあって、それから人を信用するのが怖くなったから、特に会社での人間関係のことが気になっていました。

(インターンに行く前に)ホームページを見て、残業の時間が少なかったのにびっくりした。会社で働く人って残業が多いイメージ。あと途中で仕事を変える人が多いのにもびっくりしました。

オフィス環境の工夫に興味津々な生徒たち
リフレッシュルームもあって、少し安心?もしたようです。

日本で働く大人へのインタビュー

広報部で働いているつださんにお話をききました。

Q1 人と意見が合わない時はどうしますか?

つださん:人と意見が合わない時は案を作ったりしています。もしそれがダメだったらこれはどうですか?といろんなアイディアを出して聞いていくのがコツです。

話をきいた私の感想:いいんじゃない?と思った。気が合わない人がいたら新しい案を作った方がいいし、もしかしたら2番目の案ならその人も良いって言ってくれるかもしれないし。自分の意見は押していくタイプだけど、つださんのアイディアはいいと思った。自分の意見ばっかり言っても良くない、もっと他の人のアイディアも聞かなきゃいけない、協力していくために。

Q2 みんなと仲良くするために何をしていますか?

つださん:仕事以外にも色々な話をしていくと良いですよ。

話をきいた私の感想:つださんがどんな話をしているのかは聞けなかったけど、いいアイディアだと思った。同じ興味を持っている人だったら絶対楽しいし、仲良くなる可能性もある!仲良く仕事する方がいいから。仲が悪いと他のことが考えられなくなって仕事が出来なくなっちゃう。

Q3 プライベートの時間に何をしていますか?

つださん:アニメを見たり、こないだ東京に異動してきたばっかりなのでカフェを色々回っています。

話をきいた私の感想:プライベートの時間も大事にしたい。つださんはプライベートの時間がたくさんありそうで驚いた。会社で働いてる人はあまりプライベートの時間がないと思ってた。

インタビューを通しての学びや考えたことを、社員さんに伝えます。
共感する部分、自分とは違うと思った部分、それぞれの視点を交換します。

インタビューを通しての学び「自分の意見はちゃんと伝えていい。でも、伝え方はやさしく」

つださんが、「意見や考えがぶつかることもある。より良いものをつくったり素晴らしい成果を手に入れるためには、余計な気をつかって意見を出さないことのほうがもったいない。感情的にならずに意見交換をはじめることが大切」って言ったんです。これから仕事をしていく上で自分に役に立つ言葉だと思いました。

(インターン前後で)人間関係について聞けたから、考え方が変わったと思う!(私は)自分勝手で思い通りにいかないとすぐにイライラしちゃって怒っちゃうから、インタビューを通してつださんの意見を聞けてよかったです。

自分のこれからについて

私は今年高校を卒業して、来年から溶接の会社に就職します。ずっと溶接の仕事がしたかったからすっごい楽しみ!あと、将来は教える側にもなりたいと思っています。今までのアルバイトで人に仕事を教えた時に自分の勉強にもなったし、教えるのも楽しかったから。いろんな人がいて、どんな人にどうやって教えたらいいのか(アルバイトを通して)分かってきたから、会社に入ってからもそれを活かしていきたいなと思っています。

仕事以外での目標は優しい人になること!親が誇りに思ってくれるような人になりたいです。

みんなで最後に集合写真📸

記事をかいてみて

1人だったら全然できなかったけどジェイミーさん(学生メンター)と色々相談しながらやっていたから、いつ終わったのかわからないくらいでした。笑 ちゃんと最後まで頑張れました!笑

カタリバメンターのつぶやき
Sさんは最初にお話しした時から将来についてしっかりと考えている生徒だなと思っていました。でもそんなSさんにも誰しもが抱える進路や将来についての不安があり、悩んでいました。Rootsインターンでの経験を通して、Sさんが新たな視点を得て成長している姿を見ることができて嬉しい限りです!また、自分の考えていることを言語化するという難しいタスクもこなしていく姿に私もやる気をもらいました。
今後もRootsインターンに参加した生徒たちについて発信していきますので、ぜひそちらもご覧ください!

これまでのレポートはこちら:

問い合わせ先:
認定特定非営利活動法人カタリバ Rootsプロジェクト(外国ルーツの高校生支援)roots@katariba.net