ギリアム星より八畳一間へ
[属星:地球 個体名:安藤ユリ 性別:女(属星基準による)年齢:21歳]
──開始地点地球歴2018年10月16日、13時15分22秒、ログを開始します
「もう終わりにしよう。」彼からメールが来たのは昨日だった。私の何がいけなかったの?たった一文で2年の思い出が無くなると思うとまた涙が溢れてきた。思い出すたび胸が締め付けられる…もう忘れよう。誕生日にもらったネックレス、揃いで買ったぬいぐるみ。全部捨ててリセットし
──再生を停止します
ここだ。滅亡遠因はこの個体が部屋を片付けたことで間違いない。ノートに因果子:84と記す。惑星が滅んだきっかけの発見、それが僕の趣味だった。事象の原因に反応する粒子、「因果子」の発見により僕らの住むギリアム星から6兆個離れた銀河の滅亡まで捕捉できるようになっていた。
いつだって滅ぶ運命は変わらない。そんなことは分かりきっていた。それでも─
「あの子助けらんないかなぁ。」
僕は彼女に恋をしてしまった。
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