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刀の名品を見たくなったら「日刀保 東京都支部」

特別重要刀剣や重要美術品といったいわゆる美術館に展示されているような刀の名品を手に取れる機会は私達一般人にはそうありません。
しかし、それでも見てみたい…。
そんな時一つの方法は日本美術刀剣保存協会本部が毎月第二土曜に開催している「本部定例鑑賞会」に参加する事です。
詳しくは以下をご覧ください。

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来年1/9より再開されるとの事です。(但し初回参加は事前予約のマナー講座受講が必須)
上記に参加すると普段は展示会などショーケース内に並んでいる刀を手に取って鑑賞する事が可能です。
過去には享保名物帳所載の「武蔵正宗」まで見れた事も。

しかし、それを凌ぐぐらいに凄い刀が並ぶのが以下の
「日本美術刀剣保存協会 東京都支部」。

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(画像転載元:http://www007.upp.so-net.ne.jp/nbthk-tk/kako.html)


①刀、刀装具の名品が数多く並ぶ

重要刀剣、特別重要刀剣、重要美術品といった刀が毎回20振近く並びます。
刀装具も毎回10~15ほど並びます。
日刀保本部の鑑賞会でも鑑賞刀5振と鑑定刀5振の計10振(本部鑑賞会には刀装具は並びません)ですので、その数の違いに驚かされます。

そして更に凄いのが毎回テーマに沿って並ぶという事。
例えば相州伝がテーマであれば、新藤五国光から始まり行光、正宗、貞宗、秋広、長谷部国信、綱広というように時代を代表する刀工の典型作が並ぶので特徴を捉えやすく、同時に刀の作風の移り変わりを見る事が出来ます。
鑑定刀では相州伝がテーマだからという事で、作風が似た物が並んだりしますがこれが相州伝でない刀も混ざっていて、刀の難しさ、奥深さを感じられるのもこの鑑賞会の良いところ。

例えば以下は何に見えますか?


私は鑑定会の時はそのまま則重に入れたのですが、案の定「×」。
出題者側のひっかけにまんまと引っかかりました。
正解は越後の「秦長義」でした。

そして中には「超」が付くほどの名品も出ることがありまして
その一つが2019年3月に開催された「京のかたな展 出品刀を中心として」です。
京都国立博物館で開催された「京のかたな」展に出た吉光の小太刀や五条国永を手に取って鑑賞できるというまたとない機会。
解説でも国の重文クラスと説明がされていました。
それ以外にも出展刀が計8振も並ぶという事態。


更にその前は光忠が7振ならぶという事態…笑
もはや凄すぎて分かりませんね^^;


②なぜそんなに名品を用意できるのか?

それは刀剣商の協力があるからです。
しかも霜剣堂、真玄堂、飯田高遠堂、泰文堂といった名店が多い。
毎回どこかしらのお店協力のもと開催されているようです。
多くの支部は日刀保本部から刀を借用して鑑定会を行ったりしていますが、東京都支部は刀屋さんから刀を借用している、その辺りが一番の違いかもしれません。

③開催日

そんな東京都支部の鑑賞会は1年に4回行われています。
大体1月、4月、7月、9月ですが、微妙にずれたりすることもあります。
詳しくはHPをチェックしましょう。
今年は残念ながらコロナの影響で全て中止となってしまいました。
以下の「つるぎの屋」さんをフォローしておくと、最新情報を入手しやすいのでおススメです。


④参加条件と費用

日刀保本部のマナー講座を受講後の参加が推奨されています。
それさえクリアしていれば誰でも参加可能です。
他支部に属していても参加可能というのはとても嬉しいです。
参加費用は以下をご覧ください。


⑤年会費等

気に入って会員になりたいと感じた場合は、年会費を支払う事で会員になる事が出来ます。
会員になれば当然鑑賞会の費用は掛かりません。(会費で払っているので)

また、支部への加入前に本部への加入が必須になります。
その為、費用は本部に支払う費用
「入会金1000円(初年度のみ)+年会費12000円」と、
東京都支部に払う費用
「年会費6000円」
計19000円を支払う必要があります。
会員になると所蔵品の刀剣、刀装具類の審査鑑定を受ける事が出来るほか、作刀、研磨、拵え製作などの相談も受ける事が出来るそうです。


⑥終わりに

私は普段横浜支部に属しているので、毎回2000円を払う事で参加させて頂いていますが、内容としては2000円は安すぎるくらいに充実している印象です。
刀の質と量が群を抜いて素晴らしく感じます。
因みに人が並んでいる場合は1分で次の人に交代(ピッ、ピッ、ピッ、ピーという電子音が鳴ったら交代)という暗黙のルールがあります。
初めての人だと分からないと思いますので、覚えておくと良いかもしれません。


今回も読んで下さりありがとうございました!
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それでは皆様良き御刀ライフを~!

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