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玉鋼の色の色々

刀の材料となる玉鋼。
以下は私が金田國真さんに注文打ちした際に材料となった玉鋼。

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これが熱して叩いてを繰り返して成型されて研磨されるとこういった美しい刃文の付いた刀になります。

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今回は原材料となるこの玉鋼の色についてです。
良く見るのは以下のような色味です。

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しかし実は色々な色があるらしいです。
例えば若干青が混ざる物。

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青に加えて紫や黄色、緑など色々な色が混ざった宝石のようなもの。


なんとゴールドまで!使うのが勿体なくなりますね…!


因みに玉鋼には炭素量に応じて等級があります。
日刀保が供給する玉鋼の種類は大きく分けて1級A、1級B、2級A、2級B、銑鉄(せんてつ)、卸鉄(おろしてつ)の6種類。
玉鋼の表面がザラメの様な粗い結晶が集まっている時は炭素量がかなり高い銑の事が多く、細かい結晶が集まっている時は炭素量が0.8前後の程よいものとなるとの事。
炭素量が低い物は割れにくいので芯鉄なんかに使用したりするらしいです。

が、玉鋼の色味と等級に関係は無いそう。
色は不純物ではなく金属を熱した際に出来る酸化膜だかららしいです。
僅かな厚みの差で色が変わっているようです。
因みに色が付いた玉鋼を使っても使わなくても同じ所で出来た玉鋼であれば完成時の色味はさして変わらないと思われます。
完成時の色味が変わるのは砂鉄の成分によるものらしく、例えば古刀など産地によって成分が違う場合は刀身の色味に違いが出てくることになります。
(例えば粟田口などは青い地鉄などと表現される事もあります)

玉鋼が生まれる瞬間について知りたい方は以下の刀剣ワールドさんの動画がお勧めです。
3日3晩かけて玉鋼が作られるわけですが、玉鋼の段階から人の心が詰め込まれているんだなと良く分かります。
作刀だけでなく、材料にかけた人の思いも刀には詰まっているんですね^^


因みに素朴な疑問なんですが、現在玉鋼を生み出す為にたたら操業で使う砂鉄の量は10~12トン、木炭は12~14トンらしいですが、良質の玉鋼はその1割程度(200~250kg)しか取れないらしいです。
それだけの材料を使って取れる貴重な玉鋼を使って今は刀が作られているわけですが、鎌倉時代などそれだけの材料ロスをして本当に刀を作っていたのか?
もっと安価でスピーディな方法があったのではないか、と素朴な疑問が浮かんできました。
詳しい方は是非教えてください。

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それでは皆様良き御刀ライフを~!

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