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第1回の重要刀剣指定品、どんなものが指定された?

今となってはもう66回を数える重要刀剣等指定展ですが、その記念すべき第1回の刀はどのようなものが指定されていたのでしょうか?
噂によると一桁台(第1回~第9回)の指定品はそれはもう凄い刀ばかりだとか。
当時は特重指定がまだ無く、重要刀剣が民間の指定では最高ランクになります。そして、始まったばかりの重刀審査は募集ではなく協会から所有者にお願いしに行ったという噂も聞いた事があります(本当かは知りません)

因みに一桁台の重要刀剣が売られているのを私はまだ見た事がありません。
恐らく多くが特別重要刀剣に指定されていると予想され、重刀のまま残っている物も少ないという可能性もありそうです。
最近の重要刀剣指定品の中でもパッと出で凄い刀も出る事があるそうですが、やはりずば抜けた名品の数は回数を重ねる毎に減っている様子。

という事で1桁台の刀はどのようなものが登録されているのでしょうか?
残念ながら図譜が無いので画像は見れませんが、実は刀の銘だけであれば国会図書館のデータベースで調べる事が出来ます。

さっそく見てみましょう。


①第1回の指定品がこちら

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少ない…!
刀剣26、刀装1、刀装具5。
無銘は3振りしかなく他は全て在銘。古刀ばかりかと思いきや新刀も多い。
もっと有名所、例えば光忠、郷、正宗、吉光などがバンバン名を連ねるかと思っていたのですが、そうでもない。
第1回も名品が多いのでしょうが、勝手な予想をすると第1回は重刀制度も始まったばかりで様子見をする人も多かったのではないかと考えます。
そうすると第2回以降で更に名品が登場する?
見てみましょう。

②第2回

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大銘が増えた気も。
山城や備前の割合が高いものの、5ヶ伝がまんべんなく入っています。
そのあたりも伝法毎に必ず1つ以上は指定されるようになっていたのでしょうか。
No20の伊勢寅彦氏は「堀川国広とその弟子」の著者であり大コレクターです。登録者の名前を見ているだけでも時代を感じますね。


③第3回

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④終わりに

回を増すごとに指定品の数も徐々に増えていきます。
あくまで銘しか見えない状態での憶測でしかありませんが、このように見ていくと必ずしも大銘の物ばかりではないので、銘よりも出来重視で合否が決まっていたようにも見えます。
そしてやはりというか無銘の物が圧倒的に少ない。
以下の記事でも触れましたが、現在の指定品は大抵が無銘です。


在銘は数が限られているのでそのあたりはしょうがないかもしれませんが、 この当時の基準のままで今も審査をしてほしい気も。
分かりますよ。
そうすると合格に満たない刀が沢山出てしまう事も。。
でも合格ラインの基準を落としていくと段々重要刀剣の位も下がる。
(既に下がっていますが)
これらの審査費が日刀保の主な収益源になっているのは分かりますが、これらの価値を毀損せずに保つ努力もまた必要だと思うのです。
このままでは「準特別重要刀剣」の様な新たな指定が誕生するのも近いでしょう。


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それでは皆様良き御刀ライフを~!

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