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数年経って分かる良さもある

3年前、匂出来の刀の良さが理解出来なかった。
が最近ようやく匂出来の良さがじわじわ分かってきたような気がする。
匂出来といえば、鎌倉中期以後の備前刀や南北朝時代の青江などに見られたりする。
沸出来と匂出来の差について分からない方はまず先に以下をご覧ください。

当時は刃が明るければ明るいほど好きだった。
なので匂口が締まる以下1枚目のような刀よりも2枚目のような匂口の深いものの方が好みだった。

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匂口の締まった匂出来の刀(1枚目)は刃が明るいと言っても、匂口の深い沸出来の刀(2枚目)と比べると明るさに劣るように感じるし(光に当てた時に匂い口が深い方が光る面積が広い為か?)、どちらかと言うと全体が少し沈みがちで暗く見えるので刃の明るさ第一主義の自分にとってはあまり良い印象を持っていなかった。
対して特に助広の濤瀾刃は当時好みの中でも最たるもので刃の明るさや溶け込むような匂い口の深さ柔らかさ(グラデーションとでも言うべきか)には感動させられていた。

ではこの匂出来の刀が良くないかというと全くそんな事はなく。
今になって思うのはただ良さを理解してなかっただけだったんだなと。

ということで最近はこの沈んだ感じにかえって味を感じます。
これは個人の感想でしかないけども、匂出来の方が得てして匂口が柔らかい気もする。沸の粒子が小さいからだろうか。
そして匂い口の柔らかい刀は見ていて落ち着く。気がする。
沸出来の刀は躍動感があり力強さを感じるが、匂出来は静かな内なる凄みを感じるとでも言うべきか。

このように無知だったからこそその刀の良さを理解出来なかった部分というのはこれ以外にも結構ある。
そして今現在も良さが分からない刀があるのも事実だが、それもきっと自分自身の無知さから来ている可能性が大いにある。
一朝一夕でこの感覚を変える事は難しいが、少しづつ色々な刀の持つ良さに気づけるようになっていきたい。


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それでは皆様良き御刀ライフを~!

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