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悪質な偽刀の誕生までの一例

あくまで一例ですが。
特別保存刀剣の付いた正真の虎徹の刀があったとします。
本物の虎徹なので購入するとしたら1000万円以上はします。
当然「銃砲刀剣類等登録証」も付いています。
さてここから2つの虎徹が生み出されます。

①この正真の虎徹の特保鑑定書と登録証を取り外す
②鑑定書と登録証に合うようにそっくりに虎徹の偽刀(現代刀)を作る
③偽刀の虎徹に正真の特保鑑定書と登録証を付ける

これで正真の虎徹の鑑定書と登録証の付いた偽刀が完成します。

しかし元の本物の虎徹の刀は鑑定書と登録証がなくなってしまいました。
そこで、

④再度発見届を出して新規で登録証を得る
⑤再度審査に出して特別保存を取る

するとあら不思議、銘と寸法の同じ登録証番号や鑑定書番号だけ違う虎徹の刀が2つになりました。
いやいや悪質ですね。
当然ながらこれはしてはいけない事です。
法律について詳しくありませんが、詐欺罪など何かしら罪に問われると思います。

本来は二重登録になりますが、しかしこの辺り登録や審査の段階で防ぐ術、対策はされているのでしょうか。
購入者視点で気をつける事が出来るとすれば、鑑定書と刀身が一致しているかよくよく見比べる事でしょうか。
しかし鑽枕に付いた錆や研ぎ溜まりあたりの錆付けの違和感などはやはり知識が無いうちは見ても気づけません。
いや知識を付けても精巧なものは殆ど分かりません。
特にこうした刀は売り手の顔の見えないネットオークションなどに出ることが多いので、心配な方は刀屋さんで買うのが良いでしょう。
刀屋さんであればこうした偽物を掴まされる事は限りなく低いでしょうし、万が一偽物であった場合は返品に応じてくれるはずです。
しかしネットオークションなどでは泣き寝入りするしかありません。

私が前々から刀剣店での購入をお勧めしているのはこういう悪質なケースに巻き込まれない為の防衛策、という側面が強いです。
せっかく頑張って貯めたお金を無駄にしない為に…。

という事で悪質な偽刀誕生の一例でした。


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それでは皆様良き刀ライフを!

↓この記事を書いてる人(刀箱師 中村圭佑)

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