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愛刀紹介④短刀 相州行光

愛刀紹介④は相州行光です。
この前の展示会でも展示させて頂き多くの方に見て頂きました。
「この刀何年前の物だと思いますか?」と聞くと、多くの方が「150~200年位ですか」と答え、「約700年前」と伝えると「なんでこんなに綺麗に残ってるの?!」と驚いていました。
日本刀は大切にされてきたからこそ現代まで綺麗に残っているんですね。
多くの人に刀の美しさが伝わって良かったです。
今回はこの短刀の紹介をします。

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①相州行光とは

行光は相州伝を完成させた正宗の兄弟子(もしくは父)とも言われています。
相州伝の始まりは、1192 年に源頼朝が鎌倉幕府を開いてから、粟田口国綱や備前国宗などを鎌倉に呼びよせ作刀させたのが始まりとされています。
その後、新藤五国光が現れ相州伝の事実上の祖となりました。
行光は国光の門人であったことから、作風も良く似ています。
特に国光は粟田口派の系統であった事からもとても綺麗な地鉄をしていますが、その良さは行光にも伝わっています。

その後の正宗になると、刃文や刃中の働きが更に派手になります。
相州伝が栄華を極めたのも貞宗あたりまでで、その後はその作刀の難しさも相まり尻すぼみになっていきます。
南北朝期の秋広や広光は貞宗以前のものと異となります。
相州上工の沸は淡雪が降り積もるが如く、と古い書籍では表現されていますが、その例えの通り極小の沸を焼き付けています。

【代表作】不動行光


②姿

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