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希少な配列の鮫革について

日本刀の柄には鮫革(エイの革)が使われています。
一見どれも同じように見え、親粒が大きい物ほど貴重だと言う程度の話は聞いた事のある人も多いかもしれませんが、実は粒の配列によっても希少性が変わり、そうした希少な物は当時から「献上鮫」や「飾鮫」と呼ばれ大名間で贈答品としても用いられたようです。

今回は特に希少な粒の配列のものを4つ紹介します。
参考にしたのは「鮫皮精義」という本になります。

鮫皮精義


①希少な配列「九曜図」

もう見るからに縁起が良さそうですね。細川家の家紋でもある九曜紋形に、親粒の周りを粒が9個で囲っています。

(画像出典:鮫皮精義

探していたところ、細川三斎の腰刀がまさにそれでした。

(画像出典:「特別展 戦国武将のよそおい」より)

②希少な配列「脇走図」

なんだこの配列は。思わず二度見してしまうような変わった配列。
探しましたが見つける事が出来ず…。

(画像出典:鮫皮精義


③希少な配列「五牙図」

(画像出典:鮫皮精義

親粒の横に5つの大きめの粒があります。
これなら結構ありそうな…と思いつつも意外にない。


④希少な配列「七牙図」

(画像出典:鮫皮精義

親粒の横に7つの少し大きめの粒があります。
こちらも結構ありそうな…と思いつつもやはりない。
大抵親粒の真横の星は小さくなる傾向があり、それが大きい物というのがまずとても少ない事が分かりました。


⑤終わりに

という事で柄をまじまじと見る事はあまり無かったのですが、このような配列の物はとても希少らしく、ネットを探しても図録を見てもそうそうありません。
興味ある方は宝探し感覚で探してみて下さい。
打刀拵などは柄糸が巻かれていて見えないので、調査対象がおのずと短刀拵などに限定されてしまうのですが…。

もしこのような鮫革が巻かれた拵があれば、実はとても高貴な大名家の拵だった可能性もあるかもしれません。
あくまでかもしれない、という話です。


そういえば、日本刀の拵に魅せられた店主が鮫革を使って財布などを作っているのですが、日本刀好きにはたまらないかもしれません。
私も買って現在愛用しています。日本刀の柄を触っているような気分になります。笑
興味あればこちらもご覧ください。

買った財布の配列を見て見ましたが残念ながら何もありませんでした^^;


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それでは皆様良き御刀ライフを~!

↓この記事を書いてる人(刀箱師 中村圭佑)

「刀とくらす。」をコンセプトに刀を飾る展示ケースを製作販売してます。


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