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鑑定書が発行される日本刀はありがたい

展示会を通して初めて刀以外の美術品を見て回ったのですが、まぁ値段が全く分からない。真贋も当然分かりません。(今回の展示会は格式も高く並んでいた物は全て本物という事なのだとは思いますが)

例えばこちら。
一体いくら位だと思いますか?

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これは北大路魯山人(きたおおじ ろさんじん)の作で、300万円位でした。
魯山人という名前は多くの人が聞いた事があるかもしれません。
が、作者を見ずにこの作品だけを見て300万円という額をつぎ込むのは相当に勉強をしないと出来ない所業な気も。

そして魯山人と書かれた札を見て「フムフム、そういうものか」と納得したつもりになっている自分がいるわけですが、これが本物の魯山人の作かどうかというのは売っているお店を信用するしかない事に気がつく。
自分自身に知識も無ければ鑑定書も無いので当然です。

そういえば絵も鑑定書がない。(お店が発行している保証書などはあるのかもしれないが、どこかの外部団体が鑑定しているわけではない)

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そこで誰かが言っていた「どこかの第3者団体が鑑定書を出している美術品は実は刀だけ」というのをふと思い出した。
この鑑定書の威力は凄まじい。

これがある事で、知識が無くても全くの偽物を掴むリスクというのが極端に減る。
勿論鑑定の中には100%合っているか疑問の物もあるだろうが、大事なのは鑑定書がある事でそれが市場で本物と見なされ、相応の値段が付くという事。
言い換えれば鑑定書により価値が担保される事になる。
高い美術品は資産として持っている人も多い。
資産として持つ上では価値の担保は必要なわけで、偽物だと致命的。
例えば将来売るにしても鑑定書があれば買う人からすれば安心できる。

他の茶器や絵画では、最悪の場合例えば2000万円で買った物が1万円などもある世界、という事になる。
しかし刀は鑑定書がある為、1500万円の物を2000万円で買う事はあっても、それが1万円という評価を受ける事はない。
この差は大きい。

日本刀の場合は下から「保存刀剣→特別保存刀剣→重要刀剣→特別重要刀剣」と鑑定書があるわけですが(正しく書けば重要刀剣以上は指定書)、
保存刀剣でも「虎徹」と鑑定されれば、状態はどうであれそれは虎徹の本物として扱われる。本物というだけでロマンを感じる人もきっと多いはず。
そういう意味では本物には人を惹きつける力がある。

という事で今回あわよくば茶器でも一つ買いたいな~、なんて思っていましたがやはり1回見ただけではそのお店の事が分からないので買う勇気は出なかった。
普段鑑定書をあまり意識せず刀を見ていたつもりでしたが、鑑定書という偉大さを痛感したのでした。
無冠の刀(日刀保の鑑定書が付いていない刀)を買えるか?と言い換えて買える人が真の意味で鑑定書を意識していない人なのかもしれませんね。
難しい世界です。

以下画像は今回の話と全く関係がありませんが、「珠玉の名品展」で展示されていた特重指定の相州行光の短刀です。

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