展示会「日向正宗と武将の美」
2020/11/21~2021/1/27まで三井記念美術館にて「日向正宗と武将の美」展が開催されています。
展示されている刀がどれも最上級の名品で、とても見ごたえのある展示になっていました。個人的には2020年で一番良い展示に思いました。
入場には事前予約が必要になります。(概要欄から出来ます)
因みに写真は全てNGの展示会です。
①概要
場所:三井記念美術館(東京)
開催期間:2020/11/21~2021/1/27
時間:11:00~16:00
※事前予約必要
刀剣乱舞コラボと言う事で入口には刀剣男子「日向正宗」の等身大パネル。
コラボグッズも販売されています。
②出品目録
刀剣だけでなく、刀装具、茶道具や絵画、能面なども展示されています。
③見た感想(一部抜粋)
展示エリアは全て写真NGですので、以下の動画より刀身写真を転載しています。
また、購入したポストカードからも写真を引用しています。
・延寿国信(重文)
地鉄が粟田口のように綺麗に澄んでいます。そして刀身がもの凄く健全で
生(うぶ)を見ているようです。
刃には二重刃がかかり、鑑定会で見たら粟田口国吉あたりに入札しそうな出来に感じました。
延寿と言うと脇物のイメージが個人的にありましたが、この刀を見ると延寿という刀工群の捉え方が変わります。
もう一度見たいですね…
・則宗(重文)
福岡一文字の事実上の祖とされる則宗のとても貴重な在銘品。
正直則宗がこれだけの状態で残っている事に驚きを隠せません。
地鉄に潤いがあり、この時代はまだあまり備前備前していない気が個人的にはします。
(画像転載元:https://www.youtube.com/watch?v=Do6E7HvQjGQ&feature=emb_logo)
・一(重文)
薙刀は使用頻度が高くそれゆえに残っている数も少ないらしいです。
その中でこの薙刀は鎌倉時代の姿をそのままに残している作で、丁子刃を焼いています。
映りも立ち刃も明るい、一文字らしい力強さを感じる作です。
(画像転載元:https://www.museum.or.jp/report/100356)
・日向正宗(国宝)
正宗の代表作の一つとされる日向正宗。
今回の展示のメインですが、個人的にはそこまでささりませんでした。
正宗は持った時の見え方とガラス越しの見え方では特に見え方が異なる気が個人的にはするので、日向正宗も手に取ると景色の変化が凄まじく魅了されうのかもしれません。
拵えは非常に美しく、金具類の繊細さに目を惹かれました。
(画像転載元:https://www.museum.or.jp/report/100356)
(画像転載元:https://www.museum.or.jp/report/100356)
・八重姫貞宗
Youtubeから転載しているので画像がもの凄く小さいですが、今回の展示で個人的に一番のお気に入りがこの八重姫貞宗。
11/25現在、刃にスポットライトが当たる展示方法では無かったですが、その分地景はかなり見えました。
貞宗は幅広で彫り物があるイメージでしたが、この短刀は姿が比較的小振り、小板目に杢を交えるなど、鎌倉時代の行光あたりを思わせる姿や地鉄をしているなと感じました。
行光っぽかったから好きだったのかもしれないです。
(画像転載元:https://www.youtube.com/watch?v=Do6E7HvQjGQ&feature=emb_logo)
・徳善院貞宗(国宝)
有名な貞宗です。南北朝という時代にあった貞宗らしい姿や彫があり、地景は相州伝のそれです。
この作を見ると貞宗が行光との繋がりも頷ける、そんな作でした。
(画像転載元:https://www.museum.or.jp/report/100356)
・加藤国広(重文)
今回この国広を見に行くために展示会に行ったと言っても過言ではありません。加藤清正の愛刀であったと事からこのように呼ばれています。
國廣の作は末古刀風の天正打ち(初期作)と、相州伝や志津を模した慶長打ち(晩年作)に分かれますが、中でもこの加藤国広は慶長打ちの中の傑作とされています。
地鉄は非常に積んでいて、いわゆるザングリはしていません。
国広が名工である所以はこの刀が物語っています。
国広は晩年代作代銘がかなり多くなるという先人たちの研究成果がありますが、この刀は「國」の口の下の点2つが特徴的なので、この刀を本人が作った物とすれば代作者と作や銘の違いが見えてくるかもしれません。
今後時間の合間で調べてみようと思います。
(画像転載元:https://www.museum.or.jp/report/100356)
・拵えなど
(画像転載元:https://www.youtube.com/watch?v=Do6E7HvQjGQ&feature=emb_logo)
以下のような展示スペースにまとめて展示されています。
どれも江戸時代から明治にかけての作で実践向きというよりも大名や藩主が持つような装飾性の強い拵えが多いです。
どれも非常に美しく、細部に至るまで繊細な作りをしています。
写真撮れないのが本当に残念です。
(画像転載元:https://www.youtube.com/watch?v=Do6E7HvQjGQ&feature=emb_logo)
④その他(ミュージアムショップ)
冒頭にもちらっと出しましたが、ポストカード8枚入りを買いました!
展示エリアと同様の解説も載っています。
⑤終わりに
くどい位に何度も言いますが、コレクションがどれも一級の名品ばかりです。
ライティングも相州伝の刀は地景が見えるようあえてスポットライトの光が当たら無いよう工夫されていたり、備前や山城は刃文がしっかり見えるライティングになっているなど差別化が図られていて刀の特徴が捉えやすい素晴らしい展示に感じました。
個人的には2020年の中のベストオブ展示会。
来年の1/27まで開催しているので、あと数回足を運んで目に焼き付ける予定です。
また展示エリアの雰囲気が素敵なんですよね^^
(画像転載元:https://www.youtube.com/watch?v=Do6E7HvQjGQ&feature=emb_logo)
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それでは皆様良き御刀ライフを~!
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