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全刀商の賛助会員になりました

全国刀剣商業協同組合(通称:全刀商)の賛助会員になりました。

名前の下は職業欄になっており、刀匠や研師、鞘師、白銀師、日本刀研究家などが記載されるそうです。
「刀箱師」は私が3年ほど前に刀展示ケースを作る人という事で勝手に造語を作って自分で名乗っていたのですが、職業欄に「刀箱師」と載せて頂けていたのは1つの仕事として公的に認めて頂けたようでどこかとても嬉しいです。

・賛助会員について

賛助会員については「刀剣界No62」に記載があるので引用させて頂きます。

さて、当組合では年初早々に理事全員の賛同を得て、一つの決定をしました。それは新たに「賛助会員証」を発行することです。
組合が設立され、内閣総理大臣の認可を受けたのは昭和62年(1987年)ですが、賛助会員制度も当初から設けてきました。
定款第五十二条に「本組合は、本組合の趣旨に賛同し、本組合の事業の円滑な実施に協力しようとする者を賛助会員とする事ができる。と規定し、別に定める賛助会員規約をもって具体的な運営を図っています。
文言においては、法人その他の会員制組織の一般的なそれと何ら変わりがありません。
一方、当組合の賛助会員は刀匠や刀職者が圧倒的多数を占めています。

(中略)

「公的な身分証明証としては運転免許証・パスポート・健康保険証・マイナンバーカードなどがありますが、これらは特定の目的や本人であることの確認に使用されます。
これに対して賛助会員証は、職業や職務として刀剣に従事している事の証明に機能します。
刀匠や刀職者のほとんどは自営業やフリーランスと思われますが、その方々の仕事の証明証は他に類例がないでしょう。
刀剣が様々な分野の仕事に支えられている事実は、一般に必ずしも十分に知られていません。
その道のプロフェッショナルであることの証明は、各人への一層の信頼と安心に必ずや寄与するはずです。」

(引用元:「刀剣界No62」より)


仕事柄、展示ケースを運んだりそれに合わせて刀を運んだりと、刀を運搬する事も多いのですが、日本刀を運搬している時に職質を受けると面倒な事が想定されます。勿論登録証を付帯しており、運搬の理由もあるので違法でも何でもないのですが。
そうした時にこの賛助会員証は「この紋所が目に入らぬか!!」的な感じで提示できる良いアイテムになりそうです。

・終わりに

私は刀を自宅に飾れる展示ケース作りを通して、「刀とくらす」生活を世の中に浸透させたいと思っています。
従来のように普段刀を部屋の奥にしまい所有者だけで楽しんできた結果、刀を相続する際に子や孫が興味を持たず、刀が放置されて錆びてしまったり、紛失してしまったりといった事態に繋がっていると私は考えます。
いつも部屋に刀を飾っておけば、子供に刀はいいぞ、なんて言わなくても向こうから刀に興味を持ってくれます。
我が家でも実際に娘が0歳のころから刀を製作した展示ケースに入れて飾っていましたが、4歳になった最近、刀を手に持ちたいと言ってきました。


他にも鉄鐔を「磨きたい」といって手伝ってくれます。

そんな4歳児きっと今の日本では数名しかいない事でしょう。
こちらから言ったわけではなく自主的に来てくれました。
これも普段から刀が身近にあった為だと考えています。

来客があった時も普段刀なんて見ないような人が刀を沢山見てくれます。
今まで本物の刀と出会える場所は、美術館や刀剣店位なものでした。
しかしそれでは元から美術館に行く層にしか本物の刀の良さは伝わりません。それでは拡がらない。
唐突な日常での刀との出会いが、刀を好きになる人を広げると思うのです。
もともと刀そのものは人を魅了する力が他の美術品と比べても相当に高い、つまりポテンシャルがとても高いと思います。
ただ武器である一面が人を遠ざけてきました。
ケースに入れて展示しておけば安全です。子供も怪我はしません。
すると初めて刀を見る人も安心して「刀の美しさ」を感じてくれます。

現在刀の展示ケースを購入して下さった方は20名を越えていますが、この方々が普段飾って頂けているということは、その周りの10~50名位に刀の魅力が届くと思っています。
それだけで200~1000人の今まで刀に興味が無かった人に刀の魅力を届けられている可能性があると思うと、頑張ろうという気持ちになります。

この刀箱師としての活動により1振でも多くの刀が次世代に残ると嬉しく思います。
そして刀に興味を持つ人が増えて、刀の武器としての側面ばかりではなく、美術品としての側面が多くの人に伝わると嬉しく思います。


今回も読んで下さりありがとうございました!
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それでは皆様良き御刀ライフを~!

↓この記事を書いてる人(刀箱師 中村圭佑)

「刀とくらす。」をコンセプトに刀を飾る展示ケースを製作販売してます。

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