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日本刀の鉄色は新々刀以降で白くなる気が。

日本刀は全部同じ銀色と思うかもしれないが実際は微妙に違う。
慶長16年(1611年)に書かれた「古今銘尽」などを見ると青、黒、赤、紫、白など様々な表現がされている。

・粟田口久国
→地色青く紫なり

・正宗
→地色青く紫にしてきらあり

・貞宗
→地色青く見えて赤みあり

・則宗
→地色底青く見えて上に黒みあり

・古備前友成
地色黒く底に見えてきらとあり。刃色底青くすみて上浮きやかに白し

・三原正広
→色底黒くして上白けたり。刃色青めにし鉄色堅し

この辺りは人により感じる事も違うと思います。
個人的には正宗の紫や貞宗の赤などよく分からない事も多い。
当時はろうそくの火で見ていただろうからそれも影響している可能性はありそう。
尚この本が書かれた時代は堀川国広をはじめとするいわば新刀の始まりのような時代で、当然ながら古刀が中心の記載になってます。
そして新刀になると残念ながら鎌倉時代の作刀方法などは時代の波にのまれて消えてしまったと聞いた事があります。

が。
鎌倉時代とまでは行かなくても南北朝あたりまでであればそっくりな新刀もあるので、再現は近いレベルで出来ていた可能性もありそう。
いやでも鎌倉時代の古刀極めの刀にももしかしたら新刀が多く紛れているのかもしれない。
鎌倉時代の在銘物だけをひたすら見続ければ何か分かるのかもしれないが、これは私には分からない。

そして時は流れ令和3年。
新刀の時代から更に400年経ちました。
今では古刀以前に新刀の作刀方法も完全に闇に消えたらしい。
幕末期の新々刀では水心子正秀が復古刀を提唱し様々な実験結果を記したお陰で、明治以降の現代刀へと繋がっていきます。

新刀までは地鉄が黒っぽく潤いある物も見る気がするのですが、新々刀以降となると特に地鉄全体が白い印象を受ける。
肌が積んでも積まなくても白さは感じますが、積んでる方がより白さを感じる気がする。
以下は新々刀。
ライトの当て方が下手なのですが、このようなイメージで地鉄が白く見れえる。

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以下は新刀。

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ちょっと大げさで全部が全部というわけではないですが、地景ではなく鉄の色を見てみると、全体的に肉眼ではこのような見た目の差が感じられる気が個人的にします。

材料によるものなのか、作刀方法によるものなのか私には分かりません。
でも神社から出た鎌倉時代の古釘を使って刀を作っても現代の物と同じような刀が出来上がったという話は聞いた事があります。
それが正しければ作刀方法が肝な気もします。
もしくは古釘と違う材料を使用して刀を作っていたか。

因みに新々刀以降で清磨は例外であまり白さを感じません。
それでも正宗などと比べるとやはり若干白く感じるのですが、地鉄にはとても潤いが見られるので古刀のように見えるのだと思う。
力強い荒沸や独特なすすどおしい姿が無ければ確実に入札鑑定で時代違いを受ける自信がある。

清磨はどんな作刀方法をしていたのでしょうか。
酒豪だったと聞くのでもしや焼き入れの際に水ではなく酒を入れていたりして…。

冗談です。

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