見出し画像

刀は手入れすると美しくなる?

愛刀家あるあるかもしれませんが、日ごろ刀の手入れをしていると実際に地刃や映りが良く見えるようになってくる気がしてくる。
以下の写真は買った直後と、2日に一度くらい拭った4か月後の比較画像です。(打ち粉はたぶん5回位使った記憶)
写真の撮り方や照明の種類、当たり方などで見え方が変わっている部分も充分ありますが、沈みがちな眠い刃も少し鮮明になってきたようにも感じます。

①刀の変化の写真

購入直後

画像2


購入後4ヵ月

画像2


購入直後

画像9


購入後4ヵ月

画像9

仕事の都合上部屋の刀用の照明も実験で定期的に変えていることもあり当時のライトが無く同じように撮る事が出来ないので完全な比較が出来ませんが。。

ただ沸映りが以前よりもはっきり目視出来るようになった気がします。
(これは昔の写真が無く比較が出来ないのですが…)

画像3

赤い線の上の白くなっている部分ですね。

画像4



②どうやら実際に良くなっている可能性が!

で、これはどうも錯覚では無いらしく、実際に良くなっている可能性があるというのです!
まさに手をかけた分だけ良くなるという不思議な話。


なるほど、鉄表面の微細な研磨痕や光を乱反射する微細痕が打ち粉やその他微粒子によって一定の方向に揃ってきたから見やすくなったと。
刀剣店の方も「良い打ち粉」を使って手入れを続ければもっと良くなると思うよ、とは時折言っていました。

③良い打ち粉とは?

その「良い打ち粉とは?」について肝心な事を聞き忘れていたのですが、先日職方さんが回答下さり、研師さんが仕上げで使用されている打ち粉がヒケも付きづらく良いというのです。
この仕上げ用とは「内曇」という砥石の粉と思われます。

他にも研師さんの使っている物でない一般的な打ち粉だと刀身にヒケを付ける可能性がある為あまり打ち粉は使わず拭うだけに留めた方が良い、とも言われています。
私の場合は常に自作の展示ケース内に刀を飾っていて2日に1度は取り出し拭っているので油は塗っていません。
基本打ち粉もつけず拭っているだけです。

画像7


④拭いすぎも良くない?

但し「薫山刀話」という本に、尾張徳川家が江戸時代に殆ど錆びさせることなく毎日拭っていたら肌がトロトロになりビードロ研ぎのようになっていたという話もあるのでやり過ぎは良くないのかもしれない。

画像5

(画像:「薫山刀話P98」)


⑤終わりに

刀を手入れする事で見た目が変わるのは事実らしい。
これは愛刀家にとっては嬉しい事ですね。
手間暇かけた分だけ返ってくるので、愛着が湧くというもの。
しかしかなりミクロな話なので日に日に目に見えて変わるわけでは無いので実感は殆ど無い。
当然変わったという明確な自信もなく、「変わった気がする」程度。
でも仮に変わって無くても変わったと思えるならそれはそれで幸せなのではないだろうか。
写真ではなかなか分からないかもしれませんが、買った直後に写真など残しておくと後で比較出来て良いかもしれませんね。
革製品の色変化を実感するように。。


今回も読んで下さりありがとうございました!
面白かった方はハートマークを押してもらえると嬉しいです^^
記事更新の励みになります。
それでは皆様良き御刀ライフを~!

画像6


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?