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2023年、縁の感じた刀装具を振り返る

2023年は刀装具をメインで買った年でした。
色々悩み抜きましたが、4点ほどに絞るとすれば以下でしょうか。

買った物1つ1つに購入にあたっての葛藤だったり思い出が何かしらありますが、今回この4つの中でも特に縁を感じた、「2023年ベストof縁」は何と言ってもこの鐔に感じます。

室町期頃の長巻用の鐔と個人的には思っていますがどうでしょうか。
山金地で外周には銀覆輪が付いており、高級品である様子が見て取れます。

こちらの鐔は私が古い時代の鐔に興味を持ち始めたちょうど1年程時に、古金工物などを中心にひたすらネットサーフィンして探し物をしていたところ飯田高遠堂さんのHPで見つけたのが最初の出会いです。


古金工物について気になった物をこちらのブログにまとめていますが、当時は残念ながら売約済み。

(当時のブログより。詳細はこちら

このブログを書いたのがちょうど今から1年前で、この鐔を手に入れたのが今年の9月であるから、欲しいと思ってから9か月目にして手元に来た事に。

展示ケースの打ち合わせで恐らく約2年ぶり位に訪れた飯田高遠堂さん。
打ち合わせのついで、と言っては何ですが古金工物の鐔が何か無いか尋ねたところ「ちょうど入ってきた物が…」という事で出して見せて頂けたのが、まさにこの鐔だったのです。

見た瞬間に「これは…!」状態になり、購入を決意。
やはり本物は写真で見るよりもずっと質感が良く、買わない理由はありません。
こういう縁はなかなか無い分、一度逃すともう二度と手元に来ないので逃してはいけません。
昨年も成木鐔で全く同じことが起こっていただけに、ただただ運が良かったと思います。
古金工物は今年色々買いましたが、この鐔は中でも上位に来る味わいの深さがあります。


あともう一つ、この鐔ほどではないものの、縁のあった話。
今まで2年間売り物では無いと言われてきた目貫がありました。
その目貫は2年前に初めて拝見し、見た瞬間に作り込みに魅入られてしまった。
とても欲しかったものの「売り物ではない」という事で断念。
刀装具鑑賞会などでも度々見ていた事があったし、お店に行った際も2度ほど出して隅々まで見せて頂いていた。
やはり見る度に良い。

そして今年の大刀剣市の前日、その目貫が大刀剣市で並ぶ夢を見た。
こういう夢を見た時というのは得てして正夢になるケースが多いような気がするが、ブースに行ってみるとまさか本当にガラスケース内に展示されており、これは現実か?と驚いた。

付いていた値札を見ると流石に即断出来る値段ではなかったので1日半ほど考えに考えた。
この機を逃すとまた非売品になるかもしれないし、今回の大刀剣市で海外へ行ってしまったら下手したらもう何十年、もしくは一生見れる事も無くなるかもしれない。
ベテランの方からしたらたかだか2年間の想いで、と言われそうであるが、一度このモードになると購入を断念するのも後悔しそうで怖い…。
最後は2日目の午後一辺り位まで残っていたら買おうと決めた。
結果無事に購入する事が出来たが、愛好家仲間伝いで聞くに、海外の方含め購入を検討されていた方が結構いたというのでこれも僅かな差で手元に来てくれたのかもしれません。
とりあえず前金だけ支払っている状態で、残金は来年早々に支払い予定です。今の楽しみはこれが1番かもしれません。


・終わりに

という事で2023年も古い良き物との縁が沢山有りました。
2024年も色々縁があってほしいですが、沢山ありすぎてもお金が足りないので、「これは!」という物が「ここぞ!」というタイミングで訪れるものが1つだけあると嬉しく思います。

このブログを読んで下さっている皆様も素晴らしい縁はありましたでしょうか?
欲しいと思い続けて口に出し続けている手元に来る経験を2年連続でしているので、皆様も是非試されてみてください。
来年も蒐集家の皆様にとって良い1年となりますように!
来年の干支は「辰」ですね!
刀装具では1番多い題材かと思いますので、干支にちなんだ刀装具を買うのが好きな方は選びたい放題かと思います。

古美濃 這龍目貫
ちなみに最後の話はこの目貫ではありません。



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それでは皆様良き刀ライフを!

↓この記事を書いてる人(刀箱師 中村圭佑)

「刀とくらす。」をコンセプトに刀を飾る展示ケースを製作販売してます。

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