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刀の「潤いがある」とは?

刀を見て「この地鉄は潤いがあるねぇ」という言葉を聞く事があります。
それは一体どんな地鉄の事を指すんでしょうか?
私も当初「これが潤いですかぁ」とか言いながらも理解し切れていなかったのですが、何振りか見させて頂くうちに理解も進んできた気がするので、今回は私が理解している「潤い」について書こうと思います。

①「潤いがある」は誉め言葉

まず潤いがあるという表現は、プラスの意味で使われます。
潤いの意味を調べると「しめりけ」などと出てきます。
「潤い」の反対語は「乾いた」や「カサついた」といった表現でしょうか。
あまり使われない表現な気もしますが、こちらはマイナスの表現として使われるので、例えば他者の刀に「この刀の地鉄はカサついていますね」などと言うと悪口になるので注意しましょう。


②これが潤いのある刀と思われる

以下は勝武堂さんのYOUTUBEチャンネルの相州住綱廣の作です。
私的にはこの見え方が「潤いがある刀」と思っています。
しめりけというか、地鉄が艶々していて、みずみずしい感じがしないでしょうか。


一方以下は艶というよりも地鉄に白っぽさが感じられ個人的には潤いとは少し違う気がします。(あくまで私の主観です)



③潤いがあるかどうかは、白熱球で見た時の印象?

光の種類によっても見え方が変わります。
例えば潤いのある刀を蛍光灯下で見た場合、地景は良く見えますがカサカサして見えます。(どんな刀もそう見える)

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次にLEDの場合、逆に殆どの刀が潤って見えます。(上と同じ刀です)

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なので、刀に潤いがあるかどうかを見る為には白熱球の光が一番分かりやすい気が個人的にはします。(地鉄のコントラストが見やすい為な気がします)

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④終わりに

潤いの定義については今回紹介した内容で概ね間違っていないと思いますが、当然基準が決まっているわけではなく、結局潤いがあるかどうかは見た人の感覚により決まります。
なので人により意見のばらつきがあります。
「この刃は明るいねぇ」とか、「この地鉄は良く詰んでるねぇ」と同じことかと。
潤いを確認する為にはやはり比較するのが一番です。
両国にある刀剣博物館であれば同じ展示ケースに同じライティングで刀が沢山並んでいるので比較しやすいかもしれません。

色々な刀を見比べれば自分の中でこういう物を指すのかな?と答えが出るかもしれません。
因みに以下は両方とも刀剣博物館の展示品です。
どちらが潤いがあるかと言われれば、

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個人的には上が潤いのある刀という気がします。
後はそれが実際に潤いがある物なのかはやはり詳しい人に聞いて答え合わせをしないといけません。
自分の感覚を正しいものに合わせていく作業はそういう意味でなんとも難しいです。


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それでは皆様良き御刀ライフを~!

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