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居合刀と模擬刀の違い

真剣と模擬刀の違いはなんとなく分かる人も多いのではないでしょうか。

簡単に言えば、切れない刀を模擬刀と言うので、広域には居合刀も模擬刀に含まれるらしいです。
絵にするとこんな感じでしょうか。

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ですが、本物の刀を刃引き(切れないようにした)物も居合刀にはあるらしくそういった刀を模擬刀と言うのかは疑問が残ります。
この場合は真険もしくは居合刀と呼ぶのかもしれません。

因みに真剣を刃引きする事は居合でも推奨されていないそうです。
何の為に真剣を使って稽古するのかを考えれば当たり前かもしれませんね。
このように真剣と模擬刀は上記疑問が残るものの、多くの人は違いが分かると思います。

因みに模擬刀のしっかりした定義は以下になります。剣でもやりでも薙刀でもそれに類似している物は模擬刀として扱われるらしいです。

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(画像転載元:https://www.rakuten.ne.jp/gold/shinobiya/page50.html


では居合刀と模擬刀の違いって何でしょうか?
私も分からなかったので調べました。


①違いは「製法」と「構造」の違い

材質はどちらも亜鉛やアルミニウム、銅といった合金製らしいですが、製法と構造が異なるようです。

・居合刀

居合の稽古を想定して作られているので、振ったり出来る強度があります。構造も真剣に近いです。

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(画像転載元:https://shinobiya.com/view/item/000000010598?category_page_id=ct480


製法:砂型鋳造法
砂の型に溶かした金属を流し込んで時間をかけてじっくり製造する方法です。刀身内に空気が含まれにくいので密度が上がり、強度の高い刀身になるそうです。
稀に砂型鋳造法と書かれていても居合刀ではない事があるらしいので、お店の方に居合用か聞くのが良いと思います。

構造:
実際の真剣と同じ構造をしています。(茎が柄まで入っています)

・模擬刀

お土産物屋さんで売っているような安価な物をイメージされると良いかもしれません。安全面を考えると振ったりする武道の練習には使えませんが、鑑賞用やコスプレ用としては問題ありません。

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(画像転載元:https://shinobiya.com/view/item/000000010725?category_page_id=ct488)


製法:ダイキャスト
金属の型に圧力をかけて短時間で製造する為、空気の逃げ場がなく刀身内に空気が残りやすい、結果強度の弱い刀身になるそうです。

構造:
茎がない、柄の部分が接着剤で固めただけのような物も有ります。



②本物と同クオリティのものはある?

残念ながら居合刀、模擬刀ともにありません。
本物の刀は玉鋼を用いて、折り返し鍛錬されており、見え方が全く違います。
以前ケースに入れて撮影した物があるので、比較対象としてどうぞ。

まず、刃文の見え方です。

↓模擬刀

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↓真剣

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次に地鉄の見え方です。

↓模擬刀
横線がしきりに入ります。

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↓真剣
折り返し鍛錬しているので鉄の層が模様になって表面に現れます。

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このように模擬刀はステンレスのようにピカピカしているのに対して、真剣はそれほどピカピカしていません。
しかし刃にライトの光を当てると模擬刀よりも刃がきらりと光ります。


③色々な名刀を模した模擬刀

模擬刀には名刀の写しが沢山有ります。
大抵拵えとセットなので、外国の方にも人気なようです。



④終わりに

ややこしいのが、高級な模擬刀は実際の真剣と同じような構造で作られているので、それは居合刀としても使えるようです。
こうなるとどこからが居合刀でどこからが模擬刀なのか判断が難しいですね。
中には「居合刀として使える模擬刀です」と表記のあるものも。笑
居合として使いたい場合は、「居合用」と表記のあるの物を買うか、お店に確認するのが良いかもしれませんね^^

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