誰でも2万円で依頼可能。面白い刀鑑定書
日本刀の鑑定書で一般的に信頼されている物は日本美術刀剣保存協会(以下、日刀保)発行の物のみです。(日刀保のものでも貴重刀剣、特別貴重刀剣は除く)
とはいえ、それぞれの刀剣商さんで独自に発行している鑑定書も多くあります。
今回はその中でとてもユニークでかつ、その刀について詳しく明記してくれる刀の鑑定サービスについて紹介します。
ユニークという言葉は使い方が悪いかもしれませんが、「今までになく斬新なスタイル」という意味で捉えて下さい。
(注意:刀を売る時にこの鑑定書を他店に付帯していっても相手にされません。あくまで相手にされるのは日刀保の鑑定書のみです。)
①一般的な日刀保の鑑定書について
一般的な日本美術刀剣鑑定書に表記されている内容です。
特別保存刀剣までは刀に関する情報は銘くらいしか分かりません。
重要刀剣以上になってはじめて刀に関する情報が文字で書かれます。
・保存刀剣
(画像転載元:https://www.aoijapan.com/img/sword/2019/19511paper-1.jpg)
・特別保存刀剣
(画像転載元:https://www.aoijapan.com/img/sword/2017/17609paper-1.jpg)
・重要刀剣
(画像転載元:https://www.aoijapan.com/img/sword/2020/20199paper-1.jpg)
・特別重要刀剣
(画像転載元:http://www.goushuya-nihontou.com/%E7%89%B9%E5%88%A5%E9%87%8D%E8%A6%81%E5%88%80%E5%89%A3%E3%80%80%E7%84%A1%E9%8A%98/)
②倉敷刀剣美術館の鑑定サービス
それと比較して、凄いのが倉敷刀剣美術館の鑑定サービスです。
送料込2万円、20日という短期間で鑑定してくれます。
そして面白いのがここから。
なんと以下の詳細鑑定書がもらえます。
(日刀保の鑑定書でもこのくらいやってもらいたい…ボソッ)
日刀保の鑑定書でその刀について記載してもらう為には、まずその刀が特別保存刀剣であることに加えて、重要刀剣審査に合格する必要があります。
(非会員の場合、審査料で4.1万円、合格した場合は24万円払う必要がある)
つまりどういう事か簡単に書くと、条件に見合った刀でないとそもそも審査に出せない、
しかも合格しても24万円払わないと記載してもらえない、
というお金が多大にかかるものなのです。
(不合格の時はそもそも鑑定書を発行してもらえない)
それが「どんな刀でも」「日刀保以上に詳しく」書いてもらえる鑑定書サービスが2万円。
③鑑定書で良いなと思った点
(画像転載元:https://jasmk.jp/index.htm#cart)
1.各所の寸法が記載されている
特に元重(ハバキあたりの刀身の厚み)などは記載されていない事が多いのでとても有難いです。
2.分かりやすいレーダーチャート
一目で分かりやすいです。
刀を沢山見ているプロの目なので、とても参考になりそうです。
国宝とかだと場外に飛び出るとかだったら面白いですね。
(画像転載元:https://jasmk.jp/index.htm#cart)
3.その刀に関する細かい解説
特に無銘の場合は、極めてもらえた上で、なぜそこに極めたかという理由が記載されるのでここも日刀保のものよりも勉強になりそうです。
因みに再刃もちゃんと記載してくれるようです。
(画像転載元:https://page.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/459580278)
4.素晴らしいQRコード
個人的に一番良いと思うのがこれです。
なんと超高性能カメラで、鉄の粒子が見える位に細かく刀を撮影してもらえ、かつそれをスマホで見る事が出来るという現代ならではの機能。
愛刀の沸や匂の粒子がここまで細かく見えたら最高ですね。
それ以外にも先述した鑑定結果もスマホで見れるそうです。
(画像転載元:https://jasmk.jp/index.htm#cart)
こういう画像を日刀保が撮りためて、ビッグデータでAI鑑定など出来る日も来るのでしょうか?
いずれにせよここまで細かい写真を鑑定書に付与してくれるのは、現状倉敷刀剣美術さんの鑑定書だけです。
5.鑑定書のケースが豪華
(画像転載元:https://jasmk.jp/index.htm#cart)
日刀保の鑑定書は厚紙の封筒みたいなものに入ってる感じですので、それと比べても遥かに豪華です。
④申込みから鑑定完了までの流れ
(画像転載元:https://jasmk.jp/index.htm#cart)
刀輸送用のキットを事前に送ってもらえるのは有難いですね。
やはり一番気になるのは輸送時の刀の傷防止をどうするか、だったりするので…。
⑤ここから依頼できます
やってみたいという方は以下のURLから申込み出来るので是非トライしてみてはいかがでしょうか。
愛刀の歴史調査が進むきっかけになるかもしれません。
既に利用されている方もいらっしゃいます。
⑥終わりに
刀を購入してから気になるのはやはりその刀の素性についてではないでしょうか。
特に無銘であれば尚更。
そして仮に日刀保の鑑定書が付いていても他の人の目で鑑定してもらいたいと思うのもまたあるかもしれません。
見る人が違えばまた違った鑑定になるかもしれません。
そういった意味でも面白い試みになりそうです。
最後にもう一度書きますが、この鑑定書があるからと言って売る時に有利になるわけではありません。
あくまで一般的に信頼されているのは日刀保の鑑定書のみであることはお忘れなきよう…。
重要刀剣以上の審査は審査料が高いですが、合格すると刀剣の価格が倍近くになったりします。
それ含めての審査料金でもあるので。
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それでは皆様良き御刀ライフを~!
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