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「日本刀 珠玉の名品展」詳細が発表されたようです!③

昨日の続きで目録を見て展示品を妄想しながらつらつら書きます。
特になんの役にも立たないただの個人的ワクワクを綴った記事なので、暇を持て余した方だけ読んで頂ければ!
因みに①と②は記事最後にリンク貼っていますのでご覧ください。

・備中、筑前、肥後、豊後

備中と言えば青江、筑前と言えば左文字、肥後と言えば延寿、豊後と言えば行平。

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(画像出典元:展示目録(珠玉の名品展)

これまた82.1cmと長寸の古青江康次が登場するようです。
言わずもがな生ぶでしょう。古青江は小沸で大人しい刃文をしているイメージで、全体的にも古調さが感じられる点が個人的には好きです。
肌立った縮緬肌が特徴なんて言われますが、そういった肌は見られるのでしょうか。楽しみです。

また吉次は裁断銘入りです。元和五年と言えば1619年、つまり江戸時代ですが、この時代に今でいう古刀を用いての試し切りはあまり行われていなかった気がするので、古刀に裁断銘が入っているのはかなりのレアケースな気がするのですがどうでしょう。

御家名物大青江次直は、あの前田家で秘蔵されたという短刀だから驚きです(前田家には別の大青江と小青江もある)。
この辺り個人蔵という事もあり、どんな短刀か分からないのですが、次直だと直刃のイメージがあります。はてさて…。

次に左文字。左文字は銘に「左」と一文字書く事から左文字なんて呼ばれていますが、本名は左安吉と言います。そして、他の左刀工と分けるため「大左(おおさ)」なんて呼ばれ正宗十哲にも数えられています。
今回の5点は全て大左と思われます。
ついこの間まで左文字展なんかやっていたので見た方も多いかもしれません。目録の中で当時の図録にも載っていそうなものもありましたよ~。

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延寿派の国村国時は山城伝としても見られています。
来などに比べるとよく一段下げて語られる事が多い気がしますが、特重クラスの延寿は地鉄が来の一級品と比べても差が無い位に美しく感じ、私はひそかに延寿ファンです。沸映りが鮮明に出ている作なのでしょうか?楽しみです。

豊後国行平はとにかく姿が美しいですよね。個人的には全日本刀の中で一番好きなのが豊後国行平の姿です。あと焼き落としといって、区の上らへんに刃文が無いのも行平には多い気もしますが、この作はどうなのでしょうか。
刀身彫刻もありそうな気もしますが果して…。


・新刀

そして遂に新刀!
新刀は特重になる事自体がハードルが凄く高く、古刀と比べても指定品はガクッと数が減ります。
なのでとても狭き門を通過した作という事です。

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(画像出典元:展示目録(珠玉の名品展)

国広、まさかの脇差!
てっきり国広大鑑などに載っている特重の刀が出ると思っていたので意外でした。特重の脇差…存在しているとは!
恐らく慶長7、8年頃の物と推測しますが果たして。

次に越中守正俊。勿論有名刀工なのですが、ここに並ぶ刀工は虎徹など素人でも聞いた事のある位に有名な名前ばかりが並ぶと思っていたので少し意外でした。
それだけ出来の優れた刀という事なのでしょう。
昔の本など読むとその人の評価により「○○は○○に比べて劣る」など吐き捨てるように記載されていることもありますが、ずば抜けた作を見ると自分の中でその刀工の見方ががらりと変わる事はあるあるなので、本などの情報を鵜呑みにしないで公平な目で見てみたいところです。
個人的にも凄く楽しみな作。

そして助広と真改の合作
京のかたな展にも出ていましたね。これはもう重文以上で良いと思うのですが如何でしょう。新刀を代表する大阪の巨匠同士の合作で、この1振しか存在していないのは言うまでもありません。京のかたな展でなぜかここは人がガラガラだったので30分位貼りついて見ていたのは良い思い出です。

脇差の虎徹はどうゆうことか裁断銘が2つ入っています。
どうやら親子による裁断のようです。(永久の息子が永成、因みに永成は通常は久英と名乗っていたようですね)親子合作は見た事あれど、親子裁断は初めて見るので楽しみです。
因みにこの「此劔号一二三」とはどういった意味なのでしょうか?解説も楽しみです。


・新々刀

新刀よりも更に合格のハードルが上がる新々刀。そもそも指定品がもの凄く少ないはずなので、きっとこれらの刀は恐らく界隈では全部有名なのでしょう。(今回の展示品は全て界隈で有名とは思いますが…)

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(画像出典元:展示目録(珠玉の名品展)

大小セットの清磨が出て来るようです。
今まで図譜でしか見た事が無かったので、楽しみすぎます。
清磨は虎徹のように出来にムラが少ないとはよく聞きます。
つまり清磨は大体全部上手い、虎徹は上手いものは凄く上手いが、そうでもない物はそうでもないと。
ただそうは言いつつも清磨もやはり人間なので出来に差はあると思うんですよね。ここに並ぶのは清磨を代表する清磨と思われるので是非一度見ておきたいです。
正清と一平安代の特重も存在しているのですね。
こちらもとても楽しみです。


・刀装、刀装具

特重の刀装、刀装具はとにかく指定品が少ない。
もはやまずこういった展示会意外で表に出てこない。もう全てが伝説級なので隅々まで見ておきたい。(語彙力の無さ)

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(画像出典元:展示目録(珠玉の名品展)

金家があれば重要指定品でも偽物と疑えとは聞いた事がありますが、流石に特重の金家ともなれば話は変わるでしょう。
小さな鍔のスペースに展開されるわびさびの世界感がとても好きなので、もし写真OKであればこの機会に沢山写真を撮りたいと思います。
他にも祐乗や奈良三作の安親、石黒政美など一級品ばかり見れるのは本当にありがたいです。刀装と刀装具のブースだけで1時間位見るのに使ってしまいそうです。
そういえば加納夏雄が出ていないですね。一つは出ると思っていたのですが、所有者が出品を拒んだのかもしれません。


・終わりに

今回のこの展示会に並ぶ品は市場に流通している物(といっても表に出てきませんが)のなかでのトップなので、この機会によく見て自分の中の基準を作りたい所です。
が、作ってしまったが最後、目が肥えすぎて何も買えなくなってしまうという恐ろしいジレンマもあります。笑
しかしこの機を逃すと、次は特重100年記念という事になりかねません。
すると今回が人生で最後かもしれません。
間違いなく京のかたな展に匹敵する展示会だと思います。
むしろ京のかたな展の物は国指定の物も多いので展示会が終わってもどこかに展示される機会も多いですが、この展示会に出るものは目録を見た通り殆ど個人蔵なので、もう見る事の無い作品も沢山あるはずです。
本当に貴重な機会を頂けて嬉しいです!

楽しみですね~!楽しみですね~!!

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