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霜剣堂さんの日本刀展示即売会へ行ってきました(2023年GW編)

4/29~5/7まで原宿で行われている霜剣堂さんの展示即売会へ本日行ってきました。
初日と2日目を子供の相手で逃していたので3日目にしてようやく、といった感じです。
初日はかなり混雑していたようで店内に入れなかったという噂も聞いていましたが、3日目の午前中は平日だった事もあるのか比較的ゆっくり見れました。それでも午後時間によってはかなり混雑していたのですが。。

今回も目当ては正月に続き小太刀や剣で、良い物があれば…という気持ちを抱きつつ参戦です。

今回正面に飾られていたのはなんと源清磨。
大切先の覇気ある刀です。

互の目の刃文が見えます。ハバキもお洒落ですね。
地鉄も良く見えます。

拵に付いている鐔は海鼠透かしで赤銅の覆輪が付いていました。
肥後鐔でしょうか。柄も鮫皮では無く太刀拵に見られるような布を巻いたような形態はあまり打刀拵では見ないような気がして興味深いです。

という事でいざ店内へ。

店内に入ると右手には恒例の短刀名品コーナー。
備前物が多く並んでいた印象でしたが相州物や山城物もちらほらと。
時代の近い著名刀工の作が並んでいた事もあり、刃文など作風の違いを比較できたのが良かったです。
それにしても台付二重ハバキの物が多いのは流石というべきか、普通あまり見ない台付ハバキを沢山見れるのも貴重な気がします。
個人的には青江の逆丁子の短刀が覇気があり好みでした。

短刀コーナーの奥を過ぎると末古刀、新刀、新々刀が並んでいます。
大慶直胤の一文字や長光あたりを狙った作は乱れ映りが鮮明に出ており本歌と見間違うような作で素晴らしく、直胤の技量の高さに驚かされます。

以前見学会で拝見させて頂いた相州住総宗の小太刀もありました。
皆焼に繊細な倶利伽羅龍と八幡大菩薩の彫の入った入念作です。
改めてじっくり拝見させて頂きましたが、研ぎ減りが見られず小太刀にも関わらずかなりずっしりしています。
また皆焼にも関わらず上品にまとめられているような印象も受けやはり素晴らしい。(以下写真は先日行った刀屋さん見学会時の物であり、店内は撮影不可です)

今日教えて頂いたのですが、どうやら刀剣美術や得能一男氏の本などの書載品だったようで。撮影許可頂けたので撮影。
欲しい欲が高まる1振ですが重要トゥケェン…やはりなっていましたか…。

「刀剣美術777号」より
「刀剣美術777号」より
書籍名聞き忘れました…


他には金筋の多く入った助直の濤瀾刃や、出羽大掾国路の敢えて研ぎ減りを再現したような貞宗写し?のような短刀は個人的に面白かったです。
二字銘の國廣作もザングリではない精美な地鉄をしており、國廣の大成期の様相が感じられました。

奥の名品コーナーも備前系が多く相州や山城がちらほらとといった印象でしょうか。美濃は並んでおらず大和も少なかった記憶です。
そういう意味では今回のテーマは備前と相州あたりなのかもしれません。
そしてこのコーナーで個人的に一番目を引いたのは超著名工の特保指定品。
おいおい、特保?!本当?!買える?!
というような感覚に一瞬なりましたが出来も状態も相当に良く値段も付いていなかったので、参考展示かもしれません。
売物としてもまぁ普通に高いでしょう。
あと千手院は値段お手頃の割に地刃が冴えて柾目が流れる感じなど大和物の特徴が顕著に出ており出来が良かった印象でした。
それ以外にも今回は全体的に特保の指定品で出来の良い物が多く並んでいた印象もあり、著名工の作でも頑張れば行けるのではないかという淡い期待をつい抱いてしまう展示でした。

という事で今回も文章で語るのは困難なので、是非実際に行かれてみて雰囲気を感じられるのがお勧めです。
展示も友人から聞く所によるとどうやら初日と結構変わっていたようで。
初日行かれた方もまた行かれてみても面白いかもしれませんね!


今回も読んで下さりありがとうございました。
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それでは皆様良き御刀ライフを~!

↓この記事を書いてる人(刀箱師 中村圭佑)

「刀とくらす。」をコンセプトに刀を飾る展示ケースを製作販売してます。


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