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来派の「来肌」が難しい

来派の特徴とも言われる来肌。
例えば以下の刀身で、赤線で囲った部分は周囲の鉄と雰囲気が違って見えます。来は皮鉄が薄く、芯鉄が露出した事でこのように色味の違う地肌模様に見えるらしいです。

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(画像転載元:https://twitter.com/komainu417/status/923899285472546817?s=20

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次に以前刀剣博物館で行われていた展示会「日本刀の見方 パート2地金」で展示されていた来国光を見てみます。

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以下は刀身を拡大したボード。
この白丸部が来肌です。

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で何が難しいのかというと、この刀が来派の物だと分かっていれば「これは来肌か?」とまだ分かりそうな気もしますが、これが茎を隠された状態で誰の作?と言われた時に、「これは来肌があるから来だ!」という見方は非常に難しいと思うのです。
なぜなら研ぎ減って芯鉄が出ている物は、他にも沢山あるからです。
(例えば肥前刀では「アンコ」、青江では「鯰肌」、他にも呼び名は無いけど芯鉄が出ている刀は沢山)

つまるところ、来肌を見つける為には、まずその刀が来だと分からなければなりません。
これは結構ハードルが高い。
地鉄が綺麗で姿が上品、沸映りが現われそれでいて先に挙げたような肌が見えれば来なのかもしれません。
そういう意味で来肌は来と極める為のいわば最後の決め手みたいな特徴なのかも。

じゃあ「来肌=来の芯鉄の露出」であれば健全な来には来肌は無いのか?
これは確かな自信はないのですが、個人的にはほぼ見ない気がします。
なので時々オクで見る「極上の来肌」という表現には頭を傾げます。
言い換えれば「極上に研ぎ減って疲れている」という事でしょうか…。

あとは来肌は特徴としてそこまでマイナス評価を受けていない気がするのですが、他の刀に同様の肌が見られるとマイナス評価を受けるのはなぜだろうというのもあります。
うーん、不思議。


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