隠し鏨・隠し銘
日本刀は偽物との戦いなのは買う側だけではなく、刀匠もまた偽物との戦いがある。
本人の作である事が分かるようにこっそりと目立たない場所に「隠し鏨」と呼ばれるサインを残す刀工がいるので紹介します。
①井上真改(新刀)
井上真改の茎尻部分には以下のような隠し鏨があるものがあるそうです。
しかし正真物でも打っていない物もあるらしく、現在ではこれだけを見て真贋を判定する事は出来ないようです。
(画像出典:明倫産業株式会社 井上真改 菊紋延宝九年二月日)
②奥元平(新々刀)
元平も茎尻に隠し鏨として二本の線を入れているそうです。
こちらは入っているのが普通なようで、井上真改と違い真贋にも使えるそうです。ただ絶対あるかどうかは私にはわかりません。
③隠し銘
隠し鏨とは違うのですが、隠し銘というものもあります。
銘に本名を刻まずに変名や花押、記号を切ったものがあるようです。
有名なのは豊後国行平のようで「方士」・「有風」・「宗安」・「定秀」・「品」を切ったようですよ。
私はまだ見た事がないのでどういったものか分かりませんが。
(画像出典:「日本刀大百科事典1 著:福永酔剣」)
④終わりに
これらの隠し鏨、作者の隠されたサインとしての他、うぶ茎である事の証明にも役立つそうです。
尚、「日本刀大百科事典」によると、金工で有名な後藤家も古くは銘を入れていなかったので、偽物と鑑別する為にどこかに鏨が入れてあるようです。後藤祐乗の「夢の鏨」も有名とこの事(「日本刀大百科事典1 P264」より)ですが、調べても出てこなかったので詳細は分かりません。
刀をお持ちの方はぜひ茎の隅々まで見てみてください。
もしかしたら刀工のサインが隠れているかもしれませんよ^^
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それでは皆様良き御刀ライフを~!
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