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日本刀にピカールは使えません

今日日本刀にピカールを使うのがお勧めと言うトンデモ記事が話題になっていました。

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(画像転載元:https://getnews.jp/archives/3003790


笑えません。
この「U氏」とは一体誰なのか?と気になって見てみると、どうやら日刀保の元会員との事。
一見凄そうに聞こえるかもしれませんが、日刀保の会員には誰でもなる事が出来るので、全く凄い事ではありません。
なんなら私も会員です。

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(画像転載元:https://getnews.jp/archives/3003790


①ピカールとは?

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(画像転載元:日本磨料工業株式会社

金属用の研磨剤の事で、白い液体を金属部に塗布して布で磨くと錆などが取れピカピカになるというものです。
金属磨きの定番品として古くから親しまれています。
どんな感じで綺麗になるのかは以下の動画を見るのが早いと思います。


②ピカールが使えるもの、使えないもの


使えるもの
真鍮、銅、ステンレス、アルミ、スズ、鉄等の金属やプラスチック類に適しています。(例えば、キッチンのシンクやドアノブなど)

使えないもの
塗装、コーティングされたもの、金銀メッキ、特殊な表面処理がされたものには適していません。研磨剤なので使用すると剥げてしまいます。


③ピカールは日本刀には使えません

日本刀に使うとピカピカになりますが、刃文まで消えてなくなるので絶対に使ってはいけません。
明確に言えば完全に刃文が消えたわけではなく見えなくなっているだけなので復元は出来ますが素人には無理なので、必ず日本刀の研師に依頼しましょう。

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(画像転載元:Yahoo知恵袋

因みにピカールを使ってしまった上記の方が悪いとは思いません。
勿論知識ある人にあらかじめ聞いてから使う事が良いに決まっています。
ただそういった人が周りにいない人も多いと思います。
そんな中で今回のように「刀にピカールはいいぞ」みたいな怪記事をネットで見てしまったら、安いし使ってしまう人もいるでしょう。
この方がyahoo知恵袋にピカールを刀に使った結果を載せてくれたお陰でピカールの使用を思い止まった人もいるはずです。
そういう意味ではこの方の勇気ある行動は刀の保存に繋がる素晴らしい事と思います。(無事刃文が見えるようになっていると嬉しいです)


④日本刀の研師

刀の傷や錆を取りたい場合は、自分でするのではなく必ず研師にやってもらってください。
研師なんてどこにいるのよ?という人、以下研師の方でTwitterやってる方を数名載せておきます。(順番に意味はありません。Twitterで見つけた順。プロフに研師と書かれた人のみ掲載です)



⑤終わりに

悪意が無くても記事に嘘を書くのは良くないです。
それが刀の破壊行為に繋がる内容であれば尚更です。
(正しい事を書くというのは難しい事でもありますが、、)
今回で言えば悪いのはライターでは無く「U氏」の方かもしれませんね。。

なので今回は私の方の記事でも注意喚起という事で書きました。
他にも以下の記事内には細かいものも含めれば間違いが多くあるので、鵜呑みにしないよう注意しましょう。


例えば、記事内で「刀の鑑賞時に蛍光灯や太陽光に照らすものではない」と書かれていますが、これはあくまでのこの方の考えであって、蛍光灯や太陽光に照らす事で「地鉄」をよりはっきり見る事が出来るので、愛刀家はこのようなライトを使い楽しんでいる方も沢山いらっしゃいます。

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(画像転載元:https://getnews.jp/archives/3003790


参考までに、以下が太陽光と裸電球での見え方の違いです。

↓太陽光

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↓裸電球

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今回も読んで下さりありがとうございました!
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それでは皆様良き御刀ライフを~!

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