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刀の稲妻
金筋という刃中の働きを聞いたことのある人は多いかと思いますが、実は「稲妻」と呼ばれる働きが刀にはあります。
稲妻は金筋と似ています。
因みに以下で黒い線のように見える所が金筋。
対して稲妻はというと、結構本や人によって微妙にニュアンスが異なり、どれが正しいのか私もいまいち分かっていません。
まず「日本刀の教科書(渡邉妙子・住麻紀 共著)」を見ると、以下のように「稲妻は金筋が長く連なっているもの」と定義されています。
(出典:「日本刀の教科書(渡邉妙子・住麻紀 共著)」P66)
次に「日本刀大百科事典(著:福永酔剣)」を見ると、
「刃中の肌に沿って電光状または鍵の手状に走る、白く、光の強い沸えの線」と表現されています。
「日本刀の教科書」の上記絵の稲妻も鍵の手状に見えますね。
次は我らがバイブル、刀剣ワールドさんの表現です。
「鍛え目に沿って沸や匂を切り裂くように現れた~」
つまり、刃から地に横断する形で金筋が入っているようなイメージでしょうか。
(画像転載元:刀剣ワールド カテゴリ「刃中の働き」用語一覧)
そして 富山刀剣研究会会長、悠樂菴さんの表現です。
刀剣ワールドさんと同様と思われます。
イラストがありとても分かりやすいです。
地景、金筋、砂流しについて補足です。
— 悠樂菴 (@gouyosihiro) October 14, 2020
三者は折返し鍛錬でできた肌目に焼入れで現れる沸が絡んで形成されるものと認識しています。
更に黄色い線で示したように刃文の境を超えて、地から刃の中へ、或いはその逆に現れる様子を「稲妻」と表現される場合もあります。#刀剣 #日本刀 #富山 https://t.co/b54J9l2PcQ pic.twitter.com/0RedScOaTD
因みに日刀保は稲妻と表現はせず、地景や金筋と表記するようです。
但し、日本美術刀剣保存協会の解釈は、境界を超えて繋がっていたとしても、あくまで地鉄部分にあるものは地景。
— 悠樂菴 (@gouyosihiro) October 14, 2020
刃の中にあるものは金筋、砂流しと表記し、稲妻とは表現しない。と教わりました。
裏を返せば解説文で「稲妻と」表記されていれば執筆した人は日刀保とは別系の先生と考えられるかと。
実はこの稲妻、ネットで調べてもなかなか画像が出てきません。
なので裏を返せば確かにあまり使われていない用語なのかもしれません
そして私自身実物を見た事が無いので、いまいちどのようなものかまだ分かっていません。
稲妻の入っている愛刀をお持ちの方がいらっしゃいましたら是非Twitterなどでアップ下さると嬉しいです!
表現をまとめると、「稲妻とは、刃から地にかけて横断するように入っている金筋より長い線」という感じでしょうか。
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それでは皆様良き御刀ライフを~!
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