即売会前の心構えなど

心構え、なんて大層なこと言える立場でもないのですが自戒を込めて…。

今年もこの季節になりました。
いよいよ明日から霜剣堂さんの即売会。
毎回様々な名刀が並ぶのでとても楽しみです。
今回は左文字の短刀が表紙のようです。姿からして品格がありますし、在銘かつ帽子あたりも左文字の特徴がよく出ているように見える典型作でこれまた凄そうな短刀です。

ところで皆さんは今欲しい刀はありますか？
私は今はどうしてもこれが欲しい！という刀はないものの、そういう何も目的や目標が無い、言い換えれば「何か良いのがあったら」精神でふらっと展示会を覗いてしまう時というのが実は一番欲しい物に出会いやすい状態であり心の自制が効きづらくなる気がするので、より一層警戒しなくてはいけない状態な気がしています。
警戒というのは言わずもがな財布の紐がゆるむ事への警戒。
過去の自分の行動を振り返ってみてもこういう時は買ってしまいやすい気がします。

「村正の刀がほしい！」とか、「埋忠明寿の短刀が！」などのように数が少なく具体的に絞り込めている方が遭遇率が低い分お金を使う可能性は低くなるのは想像に容易いですが、「短刀で何か良いのがあれば」とか「長船派で何か良いのがあれば」「新刀の相州伝で良いのがあれば」などのようにざっくりしていると良い物への遭遇率は格段に高まります。
特に名品が多く並ぶ展示会の場合特に、です。
勿論予算の関係上買えない事も多々あるのですが。

探し物がある状態というのはなかなか出物が見つからず空振りで終わりヤキモキする事が多いものの、探し物をする上では結構理想的な状態なのではないかとも思ったり。

刀装具に目を向けると今はピンポイントでこの鐔が欲しいというものが3点ほどあり、これが出てくる事があれば即買えるように準備はしておきたいですが、どうやら情報を集めていると当面出てきそうにない。
ただ国内にはあり然るべき人が持たれているようなので無くなって所在不明になったり、変な所に行く事はないだろうしまだチャンスもあるかもしれない。

5年前は刀だけが購入対象だったのが、今は刀装具も購入対象になっているので、刀を買うと刀装具が、刀装具を買うと刀が…という支出のバランスを調整するのがとても難しいです。
いつどんな時にどんなものが出てくるのか、分からないのは楽しみでもあり難しく怖いところ。
これは！と思って買った後に、さらにもっとこれは！と思うものが出てくる事もあります。
今はとりあえずそんな状態なので財布の紐をしっかり握るという意味で明日に備え自戒を込めて書いてみました。
明日の展示会は今までの経験上何か良いのがあれば精神で行くとそれこそ2〜3振くらい見つかってしまう。
その中で予算的に買える物もあるかもしれない。
今買うべきなのか、それとも少し待ち冷静に判断すべきなのか（悩んでる間になくなる可能性もあるが）などなど、また悩み悩み悩む辛い期間が訪れようとしています。

それにしても今回は初日が休日かつGW初日。
周りの方も初日に行くという方も多く、大混雑しそうな気がしています。
霜剣堂さんの展示即売会では初日に凄い刀が並ぶ事も多く、2日目以降は無くなってしまう事もあるので出来れば初日は外したくない所です。
あと必ず出来に対して値段が安めなお勧め品が各コーナーに展示されているのでそれを見つけるのも楽しかったり。そういうのを探してみるのも展示会の醍醐味かもしれないですね。

じっくり見れるのは来週になりそうな気もしますが、とはいえはやる気持ちを抑えられないので明日早速行こうと思います。
行かれる方、どうぞよろしくお願いいたします。

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それでは皆様良き刀ライフを！

↓この記事を書いてる人（刀箱師　中村圭佑）

「刀とくらす。」をコンセプトに刀を飾る展示ケースを製作販売してます。