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刀を見て涙する経験

私はまだ刀を見て涙を流す経験をした事がない。
刀を見て人並みには感動しているとは思うし、欲しいと思う物も出てくるので、気持ちが冷めてるわけではないと思いつつも…今後も刀を見て涙する自分自身のイメージは全く付かないでいる。

そういえば過去に国宝展ではないが、トーハクに行った際に展示された刀の前でハンカチで涙を拭いているような仕草をされている方がいた。
京都国立博物館で行われた「京のかたな展」でもそのような方を見た記憶がある。
泣ける方の圧倒的な感性、なのかは分からないが何に涙しているのかというのは自分自身が経験した事が無い事もあり僅かながら気になる。

一番分かり易いのは体験や思い出に重ねて涙することであろうか。
例えば展示されている刀を昔祖父が持っていて、その刀を見ると祖父との思い出がよぎり涙する、というのは私でも思いつきそうな至極単純な涙の理由である。
しかし、SNSなどを見ていると刀を見て自然に涙が出てきたという方も結構いたようだった。
結構いるというという事は、祖父との思い出のような理由はまず可能性として無いだろう。
祖父ではないが、刀剣乱舞をプレイしていて、モチーフとなった刀剣を前にしてそのキャラと実刀剣の印象が「優しい」というイメージで重なった事で涙したという方はいた。
今までのゲーム内での思い出も刀剣に重なることで涙が出るほど感動するのだろうか。
美術館で刀に語りかける方をまま見る事もあるが、そういった方も多いのかもしれない。

他には南泉一文字とその拵を見て、どれだけ徳川から大切にされてきたかの「愛」を想像して涙を流している方もいた。
かなり高度な感情移入で私には出来そうにない。
人によって涙する理由は様々なようだが、展示された刀を見てあまりに美しくて涙する方もいた。
私は展示を見て涙するほど突き抜けた感動をした事が無いので、純粋にその方の感受性が羨ましい。物を見て泣くほど感動できるというのはこの先何度も出来る経験ではきっとないはずだ。

この先私は刀を見て涙する事があるのだろうか。
刀を見ながら昔戦で亡くなったであろう人達や所有者のことを想像してみようとしても所詮自身が作り出した作り話、空想でしかなく、そこに感動するのは難しい。
となるとやはり私が唯一刀を見て涙を流すとすれば、自分にとって大切な誰かが持っていた刀で、刀を見る事でその人との思い出を想像した時位だろうか。
いや、そもそも刀を見て泣いてみたい、と思って涙するものでもないのだろう。
ただ年々涙腺が弱くなっているので、もしかすると想像もしていなかったようなタイミング、理由で涙を流す事はあるかもしれない。


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それでは皆様良き御刀ライフを~!

↓この記事を書いてる人(刀箱師 中村圭佑)

「刀とくらす。」をコンセプトに刀を飾る展示ケースを製作販売してます。


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