古美濃の龍目貫を見て気づいた特徴
龍の目貫と言えば後藤家の龍を思い浮かべる方も多いかと思います。
中でも初代祐乗の評価は昔から頗る高く、後藤家は御家彫としてその後17代まで時の権力者のお抱え金工として高度な技術を引き継いできました。
題材は多岐に渡りますが、龍や獅子は後藤家を代表する題材の一つになっています。
一方で後藤家に負けず劣らず彫が繊細で素晴らしい(と個人的に思っている)一派が「古美濃」と呼ばれる金工です。
美濃国は現在でいう岐阜県南部です。
南北朝時代には清和源氏の末裔である土岐氏が守護を務め、室町時代に及ぶ動乱の時代を迎えますが、一方で禅宗文化が興隆し、守護代の斉藤氏が戦乱を避けた公家や連歌師などを招いて、伝統的な公家文化と新興の禅宗文化が習合した武家文化が美濃の地で花開きます。
因みに桃山時代以前に製作された物を特に古美濃と言っているものの、古美濃と美濃を区別するようになったのは近年との事。
美濃彫は地を垂直に深く掘り下げて陰影を強調して模様を浮き上がらせてみせるのが特徴とされています。
秋草や菊など草花を題材にしている物が多いものの龍などもあります。
(参考資料:「美濃の名刀と刀装具」より)
後藤家の龍についても今鑑賞を進めていますが、一度古美濃龍などをじっくり見て気づいた事などメモとしてまとめようと思います。
いずれ後藤龍との比較についても書く予定です。
以下は上記内容について写真でまとめています。
・鑑賞する古美濃龍の目貫
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