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鏡師 紋様鐔①

鏡師による紋様鐔。
山銅で鋳造により作られているが、表面の紋様などあまりダレておらず状態がとても良い。
書籍などから類似例を探ると個人的には南北朝~室町初期頃の作の様に感じている。後程記載。

鏡師のように鋳造された鐔には同じ型を何度か流用した可能性があると思われるが、型にも寿命がありやはり最初の方に製作した鐔の方が綺麗に作れ(例えば紋様などがはっきりとする)、何度も型を使用するうちに型が摩耗し破損したり紋様もヌメっとした感じに仕上がってしまう可能性があると考えられる。

例えば型と言っても現代のように数万回取れる金属製の頑丈なものではなく、鐔の出土型などを見ても取れても数回~数十回程度の強度だったのではないだろうか。(これは私的な予想)
実際表面の紋様が磨れてダレた感じのする鏡師鐔は多いが、そうした物は経年による摩耗意外にも製作時点での摩耗というのももしかしたらあったかもしれない。

(画像出典:村瀨陸「刀装具鋳型の三次元分析からみた近世鋳造技術の研究」


今回鑑賞する鏡師鐔は以下。
横80×縦79.6×切羽台厚2mm(耳厚3.5mm)

薄造りで丁寧な紋様が全面に施されている。

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