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刀工について

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2024年8月の記事一覧

鐔の現存する刀工

鐔の現存する刀工

室町時代頃の製作と考えられる古刀匠鐔などは元は刀匠が刀を1振り製作する度に簡易的な(装飾の無い)鐔も合わせて製作していたという説がある。
こうした室町期の鐔には銘が無い物が殆どであるが、桃山時代頃から鐔にも銘を入れるようになる。

代表的な所でいえば、金家、信家、埋忠明寿であるが、中でも埋忠明寿は刀の作も現存している事から、鐔も刀も現存しているという意味では一番古い刀匠であり金工であるとも言える。

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肥前国忠吉 鑑賞メモ

肥前国忠吉 鑑賞メモ

肥前国忠吉(初代)の初期作から晩年作まで3振と、陸奥守忠吉(3代)1振の重要や特重の名品を手に取り拝見させて頂いたのでメモ。(因みに画像の忠吉短刀は関係ありません。鑑定書ランクは書かなくても良いかと思いましたが名品と書くだけでは主観になり分かりづらいので分かりやすさの指標として書いておきます)

1振目はいわゆる秀岸銘時代の作で肥前国忠吉と五字銘の入った初期銘の作。
中切先でやや浅く反り南北朝頃の

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