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刀工について

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2022年3月の記事一覧

2人の清光

2人の清光

昔清光と聞くと新選組の沖田総司の愛刀でもある加州清光を思い浮かべていたのですが、備前長船清光という刀工もいます。
今回は備前長船清光と加州清光についてです。
因みにこの両者は全く関係のない別人です。

①備前長船清光長船清光は室町後期の刀工で、備前長船勝光と共に長船の双璧とされた刀工。室町後期の備前刀は末備前とも呼ばれますが、末備前の作の中では祐定の次に多い。
また清光と名乗る刀工は多かったものの

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出羽大掾国路という奇才

出羽大掾国路という奇才

出羽大掾国路という刀工をご存じでしょうか?
天正5年(1577年)頃に生まれたと考えられている刀工で新古境の刀工。
個人的に奇才だと思っている刀工の1人なので紹介します。

・二大勢力を渡り歩いた稀有な刀工?当時の京には堀川派と三品派という二大刀工派がありました。
国路は堀川国広門下の高弟である一方、三品帽子と言われるのたれて先が尖ったような帽子が多い事や、銘で一時期「国路」ではなく「国道」と切っ

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刀匠初の人間国宝「高橋貞次」

刀匠初の人間国宝「高橋貞次」

今回は現代刀のレジェンド的な存在とも言える高橋貞次について書きます。

①高橋貞次の経歴1902年~1968年の刀工で、刀匠初の人間国宝に指定された人でもある。
愛媛県に生まれ、兄の影響で刀鍛冶を目指す。
1917年、15歳で月山貞一に入門し、作刀や刀身彫を学ぶ。
1936年、34歳の時に松山に鍛錬場を開き、師から一字取り貞次と名乗る。
1938年、第1回刀剣展にて内閣総理大臣賞を受賞。
1940

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