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刀工について

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2021年11月の記事一覧

「虎徹を見たら偽物と思え」は本当なのか?

「虎徹を見たら偽物と思え」は本当なのか?

「虎徹を見たら偽物と思え」
「虎徹の刀が100振あったら本物は1振」

刀に詳しくない人も聞いた事があると思います。
この言葉がいつからあったかは不明ですが、本間寒山氏は著書である「寒山刀剣教室」内で恐らく明治以降に生まれた言葉と述べています。

・佐藤寒山が山形県の登録数から見た虎徹正真作の割合「寒山刀剣教室 P130」を見ると虎徹大鑑を制作当時、山形県の登録台帳で寒山氏が刀の数を調べたところ、

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獅子王

獅子王

鵺(ぬえ)退治の功績によって源頼政が鳥羽天皇より賜ったとされている太刀「獅子王」。
私も優美な拵えと鎌倉時代の武用の拵えが好きで、好みの刀の一つです。
今回はこの獅子王について調べてみました。

①獅子王の伝来鳥羽天皇→源頼政→斎村政広→徳川家康→土岐頼次→土岐頼近→東久世通禧→明治天皇
(※土岐頼次までは「日本刀大百科事典」を参考、それ以降は「e国宝」を参考)

「日本刀大百科事典」によると、一

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粟田口国吉の二重刃について

粟田口国吉の二重刃について

粟田口国吉には二重刃と呼ばれる特徴が顕著に表れた物があります。
以下でいえば帽子の部分、刃文に沿って線が見えます。

二重刃自体は山城の綾小路にも見られます。

(画像出典:名刀図鑑より)

他にも古備前行秀なんかにも見られます。

古備前行秀や綾小路定利はどちらも平安末期から鎌倉初期頃の刀工として考えられていますが、飛び焼きが連なって二重刃のようになっているように見る事ができます。
他にも同時期

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