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刀装具

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2023年4月の記事一覧

後藤祐乗①這龍目貫の特徴である「蛇腹、松笠へし、額の皺」について

後藤祐乗①這龍目貫の特徴である「蛇腹、松笠へし、額の皺」について

後藤家初代である祐乗が作る這龍目貫には2代目以降にはない特徴がいくつか出ているそうです。
「特別展 戦国武将のよそおい」図録には例えば瞳の先が尖り気味になっている様子を「檜(ひのき)の鏨」と呼んでいたり、龍の喉元には2本線の特殊鏨が入れられる、蛇腹の形が1段1段段差になっている、龍の鱗が檜垣の形でべしが「松笠へし」(松ぼっくりのようになっている)という形になっている、額の皺が繋がっているetc…と

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刀装具の鑑賞方法とマナー

刀装具の鑑賞方法とマナー

刀の鑑賞作法は至るところに情報が載っていますが、なぜか刀装具の鑑賞作法については見当たりませんでした。
刀装具に興味がある人が少ないからでしょうか。

しかし刀装具も刀同様に鑑賞する際に注意しなければならない事が多いので私が学んだ事をまとめておきます。
(※他にもあるよ、という方、追記しますので教えて頂ければ幸いです)

①基本的なマナー・手袋をはめる最も基本で大切な事です。
刀装具は様々な材質の

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古金工 一匹猿金目貫②

古金工 一匹猿金目貫②

先日手に入れた古金工一匹猿目貫について、今回は体毛部の彫にフォーカスして観察してみます。

なぜ体毛部なのかと言えば、この目貫は一見艶やかな部分が多く、龍目貫などと比較するとあまり凝っていなさそうな印象を受けるのですが、体毛は必要な部分に最小限に入れられている事が伺えます。
当時の人は手長猿は見た事が無くても、日本猿は見た事があるはずで、猿に体毛がびっしりある事は分かっていたはずです。
その体毛を

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古金工 一匹猿金目貫①

古金工 一匹猿金目貫①

やってしまった。

以前から欲しいなと感じていた物の1つを今日遂に買ってしまいました。

以前ブログに載せてから売れないか1人ヒヤヒヤする気持ちもあったが、刀座などのイベントもあったのでそんな気持ちを抑えつつ様子見をしていた。
刀座では良いなと思った品はあれど、欲しいと思えるまでの物は結局見つからず何も買わずに撤退。
その後改めて欲しい物の中から吟味に吟味してやはり中でもこれが一番欲しいという事で

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