新幹線

出発の一時間前にアラームをかけたのに、最終的に起きるのは30分前。
限界の範囲を知ってしまうと人間は怠惰になる。

バスと電車に乗る。
普段、車通勤だから新鮮さと懐かしさの香りが混ざっていく。懐かしさは学生時代の事だ。

東京駅で降りて青背景のアイコンを探し、進む。
改札でスマホをかざしてチケットを取る。
慣れたものだ。
朝ごはんに800円のたまごサンドを買う。
豪華すぎる。コンビニのサンドイッチで充分だと知るのはまだまだ先のお話。

待合室でグダグダしていると、お迎えのアナウンスがなる。
ホームに出る。
いつみても胸が高鳴るこの時間。
自信満々に入ってくる奴はやはり存在感がまるで違う。

用意されたシートに腰掛ける。
2列席窓側、素晴らしい。

出発ギリギリになって、隣の席が埋まる。
ペアで来てるなら、せめて並んで席取れよ。
とか思ってしまったけれど、仕方ない。
むしろ歓迎するべきだ。
ようこそ日本へ。ぜひ最高の思い出にしてくれと。

モヤモヤした気持ちを伊右衛門で流し込んで窓に目を向ける。
ビル群はなくなり気が付けば自然豊かな田んぼのカットに代わっていた。


程々な走行音とともにそれは確かに目的地まで進んでいるようだった。

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