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プリズムの煌めきを浴びてきた~KING OF PRISMほぼ初見の感想~

 STAY HOMEを余儀なくされるGW、私はキンプリを見た。具体的に言うと「KING OF PRISM by PrettyRhythm」、「KING OF PRISM -PRIDE the HERO-」、「KING OF PRISM -Shiny Seven Stars-」の3つをdアニメストアで見てきた。
 だから何だと言われればその通りなのだが、とにかく私はキンプリを見たのだ。
 世界が輝いて見える。たとえ新型コロナウイルスが猛威を振るっていても、誰が何と言おうと私の世界は輝いている。今日はそれだけを言いに来た。

 私がプリズムショーを初めて見たのは少し前に上映されていた「KING OF PRISM ALL STARS -プリズムショー☆ベストテン-」だった。正直ミッドサマーのついでに見に行ったのだが、一時間丸々泣いたり笑ったりで最高に楽しかった。思っていたより怖くて後味悪かったミッドサマーとか、当時実家に住んでいたので家族と四六時中顔を突き合わせていなくてはいけないこととか、4月からの新生活への不安といった諸々のメンタル面のダメージが超回復するくらいには楽しかった(キンプリは面白いのだが何となくニュアンス的には“面白い”よりは“楽しい”の方が個人的に感想としてしっくりくる)。
 そんな楽しいキンプリだったが、内容はと言えばよく分からなかった。なんせ天然ガスが出たり服がはじけ飛んだりでかい剣と龍が出てきて勇者が戦ったり、地球が黄色かったりするのだ。今こうして文字にしてみても一体なんのコンテンツなのかさっぱり分からない。Twitterに初見時の自分の感想があったが、キンプリの世界観を楽しみつつもやはり困惑が伺える。
 だがまあベストテンは総集編で、作中のプリズムショーの人気どころを集めたものだったので、本編を見れば分かるかもなと思い、一気見した。

 結論から言うとよく分からなかった。マダガスカルに左遷させられるし、突然SFが始まるし、地球は黄色いし朕はプリズムショーなのだ。あとやっぱりエーデルローズは財政危機に陥りすぎなんじゃないのか(法月仁からの妨害があったにしても、聖さんもしかして経営あんまり得意ではないのでは……)。初めの方はプリズムショーで謎の告白シチュエーションとかデートムービーみたいなものが差し込まれるのにもいちいちツッコんでいたのだが、しばらくすると大剣をシックスパックで受け止めようが人が空を飛ぼうが、プリズムショーなのだからそういうこともあるよなあと思うようになった。

 本編を見ても結局よく分からなかったが、とにかく楽しかったという感想と胸の中の熱い気持ちだけが残っている。正直キンプリはストーリー展開にツッコミどころが多いし、登場人物やそれぞれの関係性の掘り下げもそう深くはないように思う。
 なのに何故か私は毎話毎話ド派手なショーの演出に笑い、毎話毎話べっしょべしょに泣いていた。何でこんなに泣いているんだろう自分……と思いながらも胸を打たれてしまったのは、俺たちはこれが好きなんだ!というほとばしる熱いパッションにやられてしまうからではないだろうか。
 同じオタクの友人を見る時にいつも思うのは、やはり人間好きなもののことを話している時が一番生き生きしているし輝いているよなあということだ。オタクの推し語りと同列に扱うものではないかもしれないが、家族が好き、仲間が好き、憧れの人が好き、そして何よりプリズムショーが大好きというプリズムスタァ達の純度の高い「好き」の感情を昇華したプリズムショーはあまりにも眩しい。また登場人物であるプリズムスタァ達だけではなく、俺たちはこういうのが作りたいんだ!という制作スタッフの熱い思い、ひいては愛が「KING OF PRISM」という作品の根底に流れているように思う(でなければあんなテンションをどこから引っ張ってきたんだ)。
 私は「ナナイロノチカイ!-Brilliant oath-」が大好きなのだが、最終話7人からの誓いに対して観客が誓いを返すシーン、あれがプリズムスタァと観客との間に結ばれた愛でないなら一体何なんだ。

 誰か、何かを愛することは何よりも尊いことである。それをキンプリは直球で伝えてきた作品だと思う。キンプリのことをよく分からないコンテンツだと言ったが、キンプリは愛のコンテンツではないだろうか。キンプリはツッコミどころしかないしストーリーやテンションに置いて行かれたりもするが、でもこんなに楽しいのはやっぱり愛が溢れているからじゃないかと思う。

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