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つくる機会をつくる人

世の中にはたくさんの仕事があります。新人時代に教えてもらえる仕事もあれば、先輩の動きを見て覚えるような仕事も。大きい会社は研修があるかもしれないけれど、小さい会社はそんなものはないというのが実情な気がします。なので、理想を言えば教えてもらいたいんだけど、職場環境によってそれが叶わない仕事も存在します。

教えてもらえない

デザイン業界でのプロデューサー業務は、わりと「教えてもらう機会のない仕事」だなと感じます。なぜか。これは仕事内容と業界構造によるものだと私は推測しています。

経済産業省の「平成30年特定サービス産業実態調査」の調査結果(確報)によると、日本のグラフィックデザイン会社は、5,829社。規模感でいうと、そのうち4,466社が4人以下の事業従事者、943社が5〜9人。ざっくりいうと、社員9名以下のデザイン会社が、全体の約92%です。ほとんど。会社の規模感が小さい、これが大きな理由。(ちなみに全体の5,829社のうち、社員100名以上のデザイン会社は7社のみで、私はこのうちの1社に10年間勤めていました)

社員9名以下ということで、内情はこのような状況だと推測します。

・9名のうち半数はクリエイター(デザイナー等)と仮定

・残り数名のうち数名がプロデュース業務に携わる

・新人が入った場合、先輩プロデューサーは1〜2人いるかいないかの状態

これでは、研修も何もありません。おそらく、「現場で覚える」の一択。もはや弟子入りスタイル。カメラマンが師匠に弟子入りするときに似た状態かもしれない。

前職時代、プロデュース部の先輩後輩は15人ほどいました。しかしこの職場環境でも完全に現場主義。今は分かりませんが、当時はマニュアルはなく「とにかく先輩についていく」「とりあえずやってみて」という世界。私はなんとか技術習得をしたけど、体力勝負でなかなかサバイバルな環境でした。

完全にスキル習得もできない

では現場で必要なスキルをすべて習得できるのか。プロデューサー業務において、現場だけではスキルは完成しないと言えます。

ゼロから何かを作るのはなかなか大変。あらゆる業界、様々な規模感の企業をサポートするため、プロデューサーには汎用性のある底力が求められます。

ただ一方で、社員数の少ないデザイン会社は「パッケージデザインに特化した会社」「医療業界に強いデザイン会社」といった感じで専門特化型として進化しているパターンが多いように感じます。汎用性とは逆の、専門性強化。もちろんすべてのデザイン会社がそうなる訳ではなく、傾向として。なぜなら少ない人数で広い範囲をカバーするためには、超人がいるとか激務とかそういう飛び道具が必要になるから。現実的に考えて、何かに特化したほうが強みが磨かれるので、デザイン会社が専門特化型で進化する形は自然な流れです。

その結果、どうなるか。「パッケージデザインなら得意だけどITサービスのロゴは不得意」「医療業界は分かるけどファッション業界にはうとい」プロデューサーに仕上がっていきます。

それでも自分で仕事をつくっていく必要がある立場

堂々としていないプロデューサーは、絵的におかしい。ゆえに、提供するサービス内容に若干の不安があっても、自信がなくても、堂々と構えるようになるでしょう。自信のなさや不安を表には出さないが、実はドキドキしているのがプロデューサーの実態なのかもしれません。

売りたいビジネスオーナーとつくりたいクリエイターの接点を見つけ出し、それをプロジェクト化し納品する。納品後に目標を達成できたのか見守ったりサポートしたりする。プロデューサーは、けっこう創造的で楽しい仕事ですが、一方でこのプロデューサー特有の不安の正体を見つけ解消しないことには、ずっと心臓に悪い状態が続いてしまいます。

せめて自信が持てるように

自信がないまま仕事をするのはツライ。自信がないなら自信をつけたらいい。では、デザイン制作業務の自信は、どうやって生まれるのか。昨今はクライアントもデザインプロジェクトも有機的なので、走りながら制作ツールを決めていくパターンが多いです。発注側としては、特定の制作物が得意というより、何でも作れるほうが助かる。プロデューサーは、プロジェクトがどう転んでも、どんな制作物を作るとなっても「なんとかできる」という自信が、そしてその自信の裏付けとなる材料が必要。私が思う自信を持つための3つのポイントはこちら。

【プロデューサーの自信を裏付ける3つのポイント】

①体系的な知識

②幅広い業界実績(サポートした業界の幅や総数)

③幅広い制作実績(作れる制作物の種類と総数)

①があるからこそ、②と③が築かれていくと考えると、まずは①が重要なのです。

これから求められるプロデューサー像

どこから球が飛んでくるのか分からない時代。業界の垣根を超えた企業がどんどん出てきています。フットワークの軽い会社も多い。昔ながらのブランドを携えながら、新たな分野にシフトチェンジしようとしている企業もあります。

そのような時代には、それを仕事として受ける側にも、柔軟さとカバー範囲の広さが必要です。業界にとらわれず、サービス内容にも縛られず、自信をもってプロジェクトを立ち上げられるプロデューサー。そんな人物像が求められるような気がします。

プロデューサー養成講座を始めます

この、学ぶ機会のないプロデューサーという仕事。クリエイターの数に比べて、プロデューサーの数、少な。これが業界の実情です。看板を掲げるだけなら誰でもできてしまう。私としては、看板を掲げるだけでなく、実力の伴ったプロデューサーが増えてほしい。未来の明るくない材料の多いこの日本で、ビジネスとクリエイターの接点を作りそれを最大化するプロデューサーというのは非常に重要でカッコいい仕事だと信じています。

そんな思いで、プロデューサー養成講座を開講しています。オンラインの説明会を開催しますので、ぜひ参加してくださいませ。

実績

一応、講師である片平はこんなバックグラウンドがあるよという安心材料を、お伝えしておこうと思います。

①体系的な知識に関しては、以下の豊富な実績からメソッドを体系化しました。クリエイティブ業界歴13年め。ライトパブリシティという日本で一番古い広告制作会社で10年弱、プロデューサーとして大企業の案件を中心にクライアントワークに従事していました。4年前に起業し、主に中小企業の方向けにブランディングやプロモーションツールを一気通貫型で提供しています。前職時代に2年ほど産休・育休をとっていますが、それ以外はフルタイムワークでデザインプロデュース業に従事しています。

②幅広い業界実績(サポートした業界の幅や総数)は、ご縁があり私が関わったことのある業界を下記に記します。

ファッション業界、ビール業界、コスメティック業界、製薬業界、エステティック業界、スポーツ業界、マーケティングサービス業界、飲食業界、食品業界、飲料業界、建設業界、医療業界、輸入販売業、クリエイティブ業界、ジュエリー業界、子供用玩具業界、パン業界、人材業界、地方創生プロジェクトなど。クライアントのサイズは零細企業〜一部上場企業まで、関わったプロジェクトの規模感は年間数百万円〜1億円までを経験しています。

③幅広い制作実績(作れる制作物の種類と総数)に関しては、2020年冒頭の時点で過去に携わった制作物の総数1051点。お客さんに請求実績のある内容としては、コンセプト制作、ブランディング戦略設計とガイドライン制作、アドバイザー、ネーミング開発、ロゴデザイン開発、タグライン開発、VI開発とガイドライン制作、タレント撮影の企画実施、モデル撮影の企画実施、物撮影の企画実施、イラスト制作、パッケージデザイン制作(パッケージデザイン)、包材デザイン(ビール6缶パック、2本パック、6本パック、10本パック、業務用ダンボールデザイン、20本入りカートン)、キャッチコピー開発、広告デザイン企画制作(マス広告:新聞15段、5段、3段、雑誌見開き、1P、交通広告:電車中吊り広告、電車の窓上広告、電車のドア横広告、OOH広告:3×8mの屋外ボード、3×4の屋外ボード、高速道路ボード、全国の野球場の広告ボード、Webサイトバナー)、販促ツール制作(料飲店向けポスター、短冊ポスター、スタンド型POP、販売店用A1ポスター、店頭ボード、POP、冷ケース用POP、等身大カットボード、販促用カットボード、タペストリー、リーフレット、パンフレット、ステッカー、ショップカード、ブランドブック、フライヤー、ノボリ旗、イベント告知ポスター)、コーポレートツール制作(名刺、会社案内、商談資料)、ブランドヒストリーブック、Webサイト制作(コーポレートサイト、ブランドサイト)、映像制作。等

こんな人に

このような方を想定しています。

・クリエイティブ業界で働きたいけど、クリエイターになる自信はない
・デザイン制作に携わりたいけど自己流はイヤだ
・デザイン属性のプロデューサーに転職したい
・プロデューサーとして自己流でやってきたが体系的に学び直したい
・今後、自信をもってプロデューサーとして仕事をしていきたい

初心者でもOKです。説明会情報はこの記事の最後に追記します。

最初にお伝えしますが、このプロデューサー養成講座を受けたからとてすぐにプロデューサーになれる訳ではありません。こちらは基礎編。この基礎を生かして実践を積むのがマスト。ただ実践を積むにも機会をつくるのが必要で、ここで学んだことは、その機会をつくる際の見えない自信の材料の一つにはなるかなと思います。

激動のこの時代に飲まれるのではなく、その波を楽しむくらいの攻めのスタンスで仕事をしてみませんか?簡単な道ではありませんが、覚悟を決めた人には、私が学ぶ機会を提供します。


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