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生活の一部を自動化したら、脳がちょっとラクになった話

先日、恵比寿のレストランで知人と火鍋に舌鼓を打っていたところ。

「毎朝、ルーティン決めてるんですよ。5時半に起きて筋トレ。帰宅後に神棚へのご挨拶、トイレそうじ。」

と語るは、エブチ氏(https://twitter.com/vsr_ebuchi)。UI/UXデザイナーであり、デザインコンサル会社の経営者でもある。

心身ともに、屈強なエブチ氏。首から下は、格闘系漫画に出てくる戦闘家のよう。

エブチ氏と私は、同じ歳の同業者。同じくデザインブティックを経営していて、同じくサウナとサウナ後の食をたのしむ享楽心を持ちあわせながら、性格や専門分野が違いおもしろいので、ときどき、食事をご一緒する。

「こ、こんな見た目もメンタルも屈強な人が、毎朝、トイレそうじをしている。ギャップ…」
違う。たぶん、この自動化とやらが鍵なのだ。ギャップではない、彼を彼たらしめる基盤の一つが、トイレそうじなのだ。トイレそうじなのに屈強、ではなく、トイレそうじだから屈強、なのである。トイレそうじをできる人は、筋トレもできる。筋トレをできる人は、仕事もできる。だから屈強なのである。

「今日みたいに、飲んで帰った日の翌日も、朝6時から筋トレ?」
「もちろん。毎日ですから。考えないように、自動化しているんです。」

爽やかな笑顔で答えるエブチ氏。と言うことは今日の朝も筋トレしてから始まっているわけですよね。なんでこんな元気なの。屈強なエブチ氏の意志は、折れない。折れる、折れない以前に、自動化されているのである。

「自動化、って何のためにするんですか?」
「自動化で考えないようにして、日中の変数に集中するんです」

じ……自動化?????

自動化で意思決定を減らし、日中の変数に集中する。
それ、いいな。私にこそ、必要だわ。

ということで、自分も自動化に挑戦してみた。
結果、心身の屈強さが増して、いい感じである。
ぜひ、その記録をここに記しておきたい。

取り組みの内容

目的:日中の変数に集中する
目標:自動化で意思決定を減らす
取り組み内容:21日間、毎日下記を継続する
自動化の対象:
①顔を洗う(夜)
②筋トレ&布団をたたむ
③そうじ

は、ちょっと待って?顔を洗うって何? 今まで、洗ってなかったの?ってなると思う。それについて説明しておこう。

現状(顔を洗わんのかい)

夜に、顔を洗う。これ、私にとっては悩みどころであった。
考えてみてほしい。毎夜、顔を洗う。そして毎朝、化粧をする。ダルくないか。なんか、めんどくさい上に、成果を感じづらいの。私の場合、熱心に化粧をする訳ではないので、洗っても、化粧をしても、そんな変わらないような気がするのである。

であれば、顔はまあ、それっぽくなってればいいかなと。眉毛が描いてあって、目元にボヤッと暗い陰影ができていれば、まあ、いいかなと。最悪、メガネかけちゃえばいいかなと。アイラインくらいは、上からかき足せばいいかなと。継ぎ足し継ぎ足しの、秘伝のタレ方式。まあ、いいっしょ。というのが、今までの自分である。どうなの。

これは「また顔を洗わないで寝ちゃった。まあいいっしょ。へへ」という背徳的なたのしみと、実際の2日めの鮮度の落ちた顔、若干の倦怠感を生む。デカダンス。

ちょっとね、ここいらで生活の試合運び変えてみようかなと。毎朝6時に筋トレしているエブチ氏に比べたら、毎夜に洗顔するくらい何なの、ってことで、やってみることにしたと。

また、筋トレは、ジムだけだと若干足りないので、毎朝プランク(腹筋)だけすると決める。またプランクをする部屋に布団が敷いてあるので、プランクとプランクの合間に、布団を片付けるのもセットにした。

それにプラスして、毎朝のそうじ。そうじ、いま私の中で大流行なので(詳しくはこちら)。流行を定番化するため、この自動化の流れに組み込んでみた。

なのでまとめると。やる内容は、この通り。

目的:日中の変数に集中する
目標:自動化で意思決定を減らす
取り組み内容:21日間、毎日下記を継続する
自動化の対象:
①顔を洗う(夜)  3分でやる
②筋トレ&布団をたたむ  3分でやる
③そうじ 10分でやる

やってみた結果

目標達成です!
自動化に成功し、毎日、顔を洗い、筋トレ&布団をたたみ、そうじするようになったことで、意思決定数を減らせました!

さっぱりしすぎか。だって、うまくいったんだもの。結構、簡単だった。この調子で、他もやっていこうと思う。うーん。何でうまくいったのか、分析しよう。

できた理由:挑戦内容が単純だった

顔を洗う、筋トレをする、そうじをする。これ前半二つは、単純な内容である。そうじは自由度が高くて若干、苦労した。

単純であるとは?自由度が低いってこと。手順、使用する道具、場所の選択肢が少ない(ない)ってこと。これが、続ける秘訣だったように思う。

顔を洗うのは、手順の自由度が低い。石鹸を手にとる、泡立てて顔に乗せる、水で洗い流す。逆はあり得ない。どれかを省くわけにもいかない。これしかない。次の使用する道具も、いつも使う石鹸の一択である。これがすぐ見当たればOK。場所は、洗面所の一択。だから、単純な内容なのである。

筋トレは、内容設定で工夫し「プランク(腹筋)」に決めた。重要かつ道具が要らないからだ。曜日ごとに「月曜はプランク、火曜は腕」とかやると、頭を使う。だから、プランク。効果があろうが無かろうが、そういった短期的なことは気にしない。とにかく、毎朝プランク。プランクは、手順などない。セットして開始、20秒耐える。かける3セット。

また筋トレとセットになっている布団。合間に、布団を畳んで片付ける。これも、しまう順番が決まっている。硬い布団のマットレスシステムを一番最初に、次に敷布団、その次にふわふわした掛け布団、その上に枕。逆はあり得ない。しまう場所も決まっている。

そうじだけは、難しかった。家の空間を7箇所に分けて曜日ごとに振り分ける必要があった。曜日ごとに変数が出てしまった。また、実際にやってみたら、7箇所の振り分けの難易度や強度に差が出てしまった。また取り組む内容は、床を拭いていたら巾木が気になり、巾木を拭いていたら壁を拭きたくなり、壁を拭いたら窓のさんが気になり、窓のさんを拭くなら窓そうじをしたくなり、ブラインドの汚れも気になり、ととめどない。これは複雑性が高く、毎日10分と決めていたのに「あと5分!おかわり時間ください!」と自分で自分にお願いする結果となった。終わらない。これ課題感ある…。

できた理由:チェックカレンダーをつくった

カレンダーを出力し、チェック対象①②③を書いた。終わったら消す。

  • 先に全部、書く

  • カレンダーをよく行く部屋に貼る(私の場合、洗面所)

  • カレンダーの近くに消し込み用のペンを置く

挑戦期間中に、とにかく頭を使わせないのがポイント。朝はボーッとしてるし、夜もボーッとしてるので笑、結局ボーッとしているのだ。これがないと、頭の中で「今日、やったっけ?やってないっけ?」って考えるのもエネルギーを使う。ボーッとしててもできて、寝ぼけながらもペンで消せるのが大事。

できた理由:時間を計測した

顔洗うを3分、プランク&布団たたむを3分、そうじを10分と設定。タイマーをかけて、時間内で終わるように挑戦した。嫌なことなので「いうても全部で20分以内に終わるでしょう」と思えたのは大きい。ちなみに、心が折れそうな日に、10歳息子に「ダラダラするくらいなら、やっちゃったほうがいいよ。僕も手伝うから」と言われた。何なのこの優しい子。

話は逸れるが、測ってやってたら、朝の身支度も時間計測するようになった。メイクをダラダラやるのがよくないので、機械的に効率的にさばいていく。メイク道具の置き場所が定まっていないと変数が発生し、意思決定数に影響してしまうので、使用頻度の高いスタメンのメイク道具に特別席を用意し、使用順番に沿って並べ替えた。副産物として、メイクも早くなった。

できた理由:成果が見える

①顔を洗う、をやってから、肌状態が一定になった。これを読んでいるあなた。笑わせんなよ、とお思いだろう。毎日顔を洗ったら、肌がキレイになるに決まっているだろうと。そうなのよ。その通りなの。でもね。そんなの、分かってたのよ。分かっているのにできない・やらないのが、人間なのよ。それをどう動かすかって話だからね。もう少しご辛抱を。

また②プランクを毎朝やるのも、成果が見えやすい。外見で言うと、腹筋に線が入っていって楽しい。機能的に言うと、腹筋が強くなっていったので、最初20秒が精一杯だったのが、40秒はいけるようになった。時間が伸びる。そのうち、腹筋ギネスおじさん(がいるらしい)を越せるんじゃないかという野望も生まれつつ。思わず、鏡を見る機会が増える。

できた理由:成果を実感する機会がある

②の腹筋に関して。私は週1でパーソナルトレーニングに行き、命の危険を感じるほどの1時間を過ごしている(詳しくは→こちら)。この時に「はうう!腹筋があって助かったわ!」という場面が、挑戦期間中に多く訪れた。単純にパーソナルトレーニングの内容がキツすぎるため、この腹筋のおかげで助かったーとなるのである。また、見た目としても腹筋の縦線が出てきて、トレーナーに「ゆうさん、腹筋でてきましたね」と言われる。プロに言われるのは、嬉しいものである。

できた理由:目標への貢献実感がある

どれだけ、目標(意思決定を減らす)に貢献できているのか。何となくではあるが、貢献できている感じがした。ただこれは、体感値でしかない。せっかくなので、洗顔で、数値化してみようかな。それを×3したら、今回の取り組みの全体数になるでしょう(テキトー)。

自動化の前(色々考えていた):
・(洗顔について)顔を洗うべきか、洗わないべきか
・(洗顔について)洗わなくても大丈夫か、明日の予定を考えてみよう
・(洗顔について)顔洗わないなりに、コンタクトレンズはとったほうがいいよね。でも面倒だな、そのまま寝ちゃおうかな
・(寝るとき)あー顔洗ってないから、枕に顔をうずめるの抵抗感あるな。上向いて寝よう…
・(翌朝の顔)起きた。目をこすったら、何か違和感…あー昨日のメイクが残ってるんだわ
・(翌朝の顔)顔がむくんでる。マッサージから始めるか。いや、このままいけるか?
・(翌朝の顔)顔がむくんでいて、二重の感じがいつもと違う。アイメイクで何とかなるかな…
・(翌朝の顔)肌のコンディション、このままいけるかな?やっぱり今さら洗うか?
・(翌朝の顔)このままいくとしたら、目元はどう?そのままいける?
・(翌朝の顔)いけないな、目元だけ綿棒でぬぐう必要があるな
・(翌朝の顔)あ、下のアイラインが落ちた。かき足すか…
・(翌朝の顔)上はさすがに無理ね、アイライナーで描こう
・(翌朝の顔)アイライナー、どれ使ってたっけ…これ?
・(翌朝の顔)あ、アイライナーがカサカサするな…いつ買ったんだっけ…また買わなきゃな…
・(翌朝の顔)あーなんか微妙な仕上がり。コンタクトじゃなくてメガネにしようかな。多少フレームでごまかせるぞ

自動化前の私

自動化の後:
なし

自動化後の私

洗顔一つにまつわる意思決定や思考が、こんなに発生していたとは。その数、15回。これがほぼ毎日、発生していたのか。今や、寝る前に考えることはないし、布団に入った後に気をつけることはないし、朝の顔のコンディションに変数が発生しない。夜は顔を洗い、朝はただ化粧するのみである。洗顔2分、化粧8分。何も考えない。体感として、超早い。これで、脳にかかる負担が減ったのは確実である。

できた理由:人に言える

腹筋とそうじに関しては、習慣化することが生活の向上につながっている実感があるため、会う人会う人に言っていた笑。「筋トレどのくらいの頻度でやってるの?」と聞かれたときに「週1でパーソナル行ってる。あと、プランクは毎朝やってる」と答える。ちょっと誇らしい。そうじもそんな感じ。洗顔に関しては、当たり前のことを当たり前にやっているだけなので、人には言わなかった笑。

できた理由は、以上かな。

終わりに

自動化が完了し、脳がちょびっとラクになった。私は、できた時間で、次の自動化と、日中の変数に集中していくぞ。みなさんもぜひ、やってみて感想きかせてください。


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