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食いしん坊

学生時代から、チャンギ空港みたいな女でした。

特定のグループに所属するのが苦手です。正確には特定のグループには所属しますが、同時に別のグループに片足を突っ込んでバランスをとります。リーダー格にはなりません。また別のグループに直感的に好きだと思う人がいれば、遠征してナンパして口説きます。その活動に所属グループは無関係で、あくまで片平個人の意志で動きます。その結果、色んなグループが片平で繋がる状態になります。

グループの専属メンバーになるのが心地よくないのは、選ぶ自由を失いたくないからと思います。私は所属グループメンバーの一員だからこの子と遊ぶのではなく、私はこの人が好きだからこの子と遊びたい。と同時に、私も選ばれたいのかもしれません。

友達がレストランオーナーだとしたら、それだけだと食事をしに行く理由には足りません。友達のお店だから行くのではなく、素敵なお店だと思った場合には行きます。

SNSでは、知り合いだからと言って拡散したりコメントしたりはしません。知り合いだからではなく、内容が面白いから拡散したりコメントをするのが私の流儀です。

フェアであること、客観的であること。私の人生のテーマかもしれません。あちこちの人とそれぞれとの共通項で繋がりながら、一人に寄りかかろうとしませんし、そうされたいと思いません。

重いのです。たぶん。重たくなりたくないし、重たくされたくない。

10年勤めたデザイン会社は、個人商店の集まりみたいなところでした。特定のグループは存在していなくて、案件ごとにプロジェクトチームが組まれます。あのクライアントのお仕事はあのアートディレクターと、別のお仕事はこのアートディレクターと。馴れ合いや専属グループが苦手な私には心地よい職場でした。

独立し自分のデザイン会社をもってからも、スタンスは同じです。私はプロデューサーというチームを作る立場ですが、友達だからという理由でクリエイターをアサインしません。どんなに仲が良くても近しくても、それとこれとは明確に別です。お願いする時は、その人のスキルや独自性が仕事に必要な時です。

もし私があなたにお仕事のご相談をする時は、あなたの専門性を信用か信頼しています。このスタンスは高校時代の友人関係から空腹時まで徹底して守り抜いていますので、品質には自信があります。

私は、情があるようであまりないのかもしれません。それより、相手の良いところや強みを見つけ出そうというあくなき興味があります。完璧な人などいないのと同じく、何も強みがない人もいないと思っています。

ファミレスみたいなところより、きちんとしたレストランが好きです。かしこまってなくても構いません、イチオシの一品があるお店には惚れます。夜遅くに仕事が終わり、お腹が空いてフラッとコンビニに寄ってみても、「これだったら食べなくていいや」ととたんに食欲がどこかに消えてしまいます。偽物やオモチャみたいな食べ物、心は満たされずお腹だけ満腹になるものは、今の私の味覚には合いません。最近の私は、あまりにも美味しいものが好きなのです。ストイックでしょうか?自制心が強いのでしょうか?いや違います。ただの食いしん坊です。

アニさんのこの記事から着想を得て、今回の記事を書きました。私の時空を超えた先輩です。

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