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『アタシはいまから語ろうと思う。 福岡市を守って人知れず戦った、11人のフツーの男たち…
海と山に挟まれた、のんびりとした町、福岡市。 鴻巣山《こうのすやま》展望台は、その…
「ああああああああああああああああああああああああああ!!!」 叫びながら、闇の海の中…
闇の中から現れたのは、犬を連れた散歩のオッサンだった。 「……オッサンかよ!」 驚か…
鴻ノ巣山から俺の家までは、そう遠くない。 しかし、気絶した女の子を背負ったこの状況……
次の日も朝からいい天気だった。 福岡市ってところは夏場はぜんぜん雨が降らないんだよな…
中に入るとすぐに、首にスカーフを巻いた極上の美人が、愛想よく話しかけてきた。 DMを見せて名乗ると、にこやかに奥へと通される。 クーラーも快適に効いているし、この特別待遇は悪い気しないぜ。 でも、案内された席も、どう見てもケータイショップのカウンターだ……。 「担当のものが参りますので少々お待ちください」 柔らかな声で告げられる。 ふわりとした巻き毛といい、大人びた色っぽい顔といい、迫力満点のボディといい、 「あなたが担当でお願いします!
表に出ると、高宮駅前広場にある街路樹のベンチに座ったナミが、全身からドス黒いオーラを放…
『野間ダイエー』……通称アピロスは、福岡市南区の小高い丘の上にある。 すぐ隣に、大池公…
俺たちはまず、食品売り場コーナーをまわってみた。 このあたりはどこのスーパーも変わら…
窓から西日の差す非常階段を駆け上る。 「……ハヤト……」 このまま屋上遊園地まで続い…
アピロスの屋上遊園地はまったくの無人だった。 安っぽいスピーカーからポップなBGMが…
回転する無数の緑色の刃が、俺の視界を埋め尽くす。 ドSの開発チームが作ったシューティ…
兄貴とナミさんが帰ってきたのは、アピロスで山盛りの事件が起きた日の夜だった。 「……ただいまー」 「おじゃま……します……」 「兄貴ぃ! た、たたたた大変だあー!」 廊下をダダダッと走り、疲れた顔をして玄関で靴を脱ぐ兄貴とナミさんのところへ駆け込んだ。 「どうした元・弟」 「いつのまにか”元”になってる!? まぁ、いつものことだけど」 兄貴の辛辣な言葉をスルリとかわすのはおれの十八番ってね。 「弟、慣れてるね……」 ナミさんが感心する。そんなことよ