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『ブルーロック Episode凪』を観てきましたよ

結論から言うと面白かった。時間もお金も無駄ではなかった。

ただ、序盤は正直なところ、この劇場版の主人公となった凪のやる気のなさに盛り上がりに欠けるものを感じ、「やっぱり凪はライバルでこそ光るキャラだ。主人公は潔でなくては」と思ってしまったのだ。

しかし中盤になる頃に、だんだん凪が本気を出してゆく。

原作漫画でもそうだが、潔がいるチームとの対戦で、これまでの連戦連勝にストップがかけられるのだ。

原作漫画のストーリーを凪や玲王の視点から追うのだが、2時間弱の尺に詰め込むために、やや駆け足で展開するので「もう少しじっくり観ていたかったな」という気持ちにはなった。

原作漫画は潔の視点で見ることが多いので、凪や玲王の視点ではこう見えていたのだと分かるのは興味深かった。

ライバルの視点から見る本編主人公。そういえば原作漫画23巻のテーマは「誰もがその人の人生の中での主人公である」で、そう潔が悟ることで勝利を導く。

それだけに、もう少しじっくり観せてほしかったと思うのだが、この映画は基本的には、何事にも関心を持てなかった凪が、サッカーへの情熱に目覚めてゆく成長ストーリーだと思うので、一つの試合をきちんと描くより、二次選考が終わるまでの凪の変化を追うのがメインなのだろうなとは思った。

その中で、凪の天才を見出してサッカーの世界に導いてくれた玲王との関係も変わってゆく。

原作漫画は、「誰かのため」や「誰かと共に」ではそのうちに成長が止まるので、本人が自発的に気づくか、強制的に別れ別れになるイベントが発生する。イベントが発生する、なんて言うとゲームっぽいが。

そんなわけで映画でも原作漫画通りに、二次選考では、凪は潔の実力を認めて、自分を成長させるために、あえて玲王とは離れて潔と組むことにするのだが。

玲王からすれば、急に見捨てられた気持ちになるわけだ。

原作漫画を読んだ時には、凪は「お前と世界を目指すのは忘れない」とか、ちゃんと言っていたのに、何故そこまで玲王が裏切られたような気持ちになったのか、ちょうど不可解だったのだが、この劇場版では、そのあたりの心境を描いてくれて、納得感があったのである。

ところで職場のレクレーションで観せてもらった『THE FIRST SLAM DUNK』でも思ったのだが、今のアニメでは、強気な男の子でも人前で泣くシーンを入れるんだなと思った。

この傾向が、いつの時代から始まったのかは分からないが。

でも、泣いても、やがては前を見て力強く進んでゆく。その点は、昔と変わらない。

というわけで『ブルーロック』が好きで、凪や玲王が好きであれば観て損はない映画だと言えるだろう。

初見でおすすめできるかと言うと、うーむ、原作漫画を読んでいても、展開が駆け足だと少し思ってしまったからなあ。

まあ個人的な好みなので、人それぞれ感じ方は違うのだろうが。

さて、それでは今回はここまで。

読んでくださってありがとうございました。また次回の記事もよろしくお願いします。

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