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薬局業務改善プロジェクト①~帯状疱疹の原因はここにあった~

そもそも、今回の仕事のストレスはかなりのものだった。この25年近い薬剤師の仕事のなかでも、モンスター級。


わが子のような薬局

5年前、新しい薬局を立ち上げるという、今の会社に転職した。最初のメンバーは、薬剤師としてほとんど働いたことのない高齢の女性薬剤師、管理薬剤師でもないのに命令ばかりで動かないおじいさん薬剤師。そして経営側の薬剤師。

お先真っ暗だと思った。全員今回の立ち上げでこの会社に入ってきたとのこと。女性の方は錠剤のピックもままならず、それを輪ゴムで束ねることすら満足にできない。おじいさん薬剤師は、その後入社してくれた若い女性に、セクハラ発言。患者さんから、横柄だとクレーム。薬局薬剤師としてはどうしても一緒に仕事をするレベルではなかった。

経営者とも相談して、その高齢のお2人には時間をかけて退職していただいた。
その後、皆のさまざまな工夫や努力によって処方箋応需枚数を順調に伸ばし、従業員も増やしてもらうようになった。必要だと思う機器も、上司に掛け合って購入してもらい、新しいシステムも導入してもらい、それに素早く対応できるメンバーでうまく回るようになった。
手塩にかけて、薬局を皆で育てた感がある。

対照的な系列店舗

この会社の別の店舗では、従業員たちが好き勝手に仕事をしていて、管理薬剤師が注意してもまったく言うことをきかないと。患者さんも待ち時間も無駄に長く、クレームも多い様子。そんなことを経営者からも、その薬局で勤務していた事務さんからもしょっちゅう聞いていた。

その店舗の処方箋応需枚数は下がる一方で、卸さんからも心配される有様。

以前から、その店舗の薬剤師の態度も悪く、能力も低すぎると経営者からきいていた。
そしてついにその宣告をされてしまった。

業務改善計画

経営者薬剤師から、その店舗に異動して徹底的に改善してほしいと。10年以上、ぐだぐだとやっていて、メンバーも変わらないところに私を放り込むと。なんと浅はかな考え。もし仮に私の能力が高かったとしても、そんな悪の巣窟のようなところに一人で放り込まれたって、抹殺されるだけ。もちろん最初は断った。

しかし、その薬局がこのままでは経営不振になり、無能な薬剤師たちだけでなく、関係ない私の薬局のみんなの給料だって危うくなる。
経営者からも頭を下げられる。全力で協力するからって。

そこで私は条件を出した。
①自分と同等に仕事ができる薬剤師を一緒に連れて行くこと。
②仕事のデキル事務さんも一人連れて行くこと。
③むこうの薬局の全員に、業務改善をすることを周知させ、大きく変化がおきることを受け入れさせること。
④管理薬剤師はそのまま今の人を残すこと。

準備段階

私の出した条件は半分しか達成されなかった。
事務さんは今いる人のみ。そして薬剤師たちには説明と説得がされていなくて、その後大変なことになる。

異動になるその日まで、経営者にむこうの薬局の様子を事細かに確認した。
在庫システムをきちんと使用できていない。ゆるゆるの在庫管理。
患者さんがいくら待っていてもおかまいなしで、別のことをやってしまう。
仕事内容を選ぶので、なぜか調剤ばっかりやりたがる。
注意するとキレて仕事しなくなる。しかも勝手に退勤。

こんな話を聞いていて、私の体は耐えられなかったようだ。そんな長年放置されていた薬局を、どうしろと?
何度確認しても、そこの薬剤師全員の承諾は得ていない様子。
拒否反応がひどい。まず異動2週間前からひどい風邪をひいた。全然治らない。治ったと思ったら。
帯状疱疹。仕事があるから病院にもいかれず。ああ、辞めたい。

配属となって

思っていたよりひどい有様だった。
私と一緒に異動してくれた薬剤師と、驚きのあまりどこから手をつけるかと呆然となる。

もとからいる管理薬剤師は、打ち合わせや話し合いをしてあったにも関わらず、どうも「丸投げ」状態。ほとんど、一緒に改善する気はなさそう。
しかも、その薬局の薬剤師たちがしょっぱなから反抗的。

帯状疱疹の痛みで数日間、夜も眠れない。痛み止め効かない。
従業員たちの抵抗と反撃。

近年稀にみる、人生のピンチです。

これからどうなるやら。次回以降も心の整理のために記録していきたいと思う。


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