【詩】乱反射
燃えさかる夏陽に曝されて
腰をかがめ うなだれている
突き抜ける視線が 背中をおそう
さえぎるように ひろげた腕で
熱い放射を 受けとめている
鼓動は 陽射しの申し子だ
光りの拍車に 急き立てられて
ほとぼる匂いで ながめを満たす
生きるって ぎこちない
避けようもなく 眩しすぎて
汗に憑かれ 挫けてしまう
どうしようもなく あからさまだ
熱気のしぐさに 炙り出されて
剥き出しの 胸もとを灼かれてしまう
まぶたに滾る 逃げ水の色
滴り落ちる 日かげにとけて
喘いで 悲鳴をあげている
©2024 Hiroshi Kasumi
お読みいただき有難うございます。 よい詩が書けるよう、日々精進してまいります。