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【詩】熱波

目抜き通りの 真上の陽が
すれちがう 波の背中を照らしている
足どりも 羽ばたきも あまねく
灼けた反射に 目を眩ませて

夏は 足をとめている
ひっそり 翼をたたんで
飛び立つ素振りを 忘れている

揺らめきが 渇きを舐めていく
火照りを やり過ごそうと
梢のたわわは 息もたえだえだ

ひなたは 影をおびやかす
足もとにひれ伏し
つま先を 離れようとしない

雲の赦しを待ちわびて
蝉の時雨を 浴びながら
星の煌めきを 浮かべている

©2024  Hiroshi Kasumi

お読みいただき有難うございます。 よい詩が書けるよう、日々精進してまいります。