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【詩】みそぎ
コインランドリーの扉の中は
唸りと振動に満ちている
すまして並ぶ窓の中で
色とりどり 姿かたちが回っている
水と泡にまみれて
疲れも 傷みも 一緒くたに
揉みくちゃに 解きほぐされて
熱と風にさらされる
毒気にたぎる坩堝の淵で
煩悩が踊っている
波の殴打にひれ伏して
炙り出された邪気がひしめいている
渇きのにおい 諦めのしずく
すれ違い 擦れ合い 戯れながら
つれない渦に巻かれつづける
禊ぎの瀑布の裏がわで
ひしゃげた影が 手招きしている
穢れた目で 鼻歌を重ねている
©2024 Hiroshi Kasumi
お読みいただき有難うございます。 よい詩が書けるよう、日々精進してまいります。