あくる日


あくる日僕は灰になって
昨日来た方角に飛んでゆく
知る人は雨の薫りに僕を思い出し
暗雲の向こうに目をやるだろう

あくる日僕は風となって
万来の光線を全身に浴びる
無限に近い光は時の彼岸に僕を追いやり
一切の差異が消滅するだろう

あくる日僕はバッファーになって
世界の理を補佐する
裂け目に流れては縫い合わせ
人の世につかの間の安寧を与えるだろう

あくる日僕は断続になって
繰り返し痙攣する君の頬を食い破る
真実は誤謬となって
知覚の幻影に蔑められるだろう

あくる日僕は
君の永遠の秘匿の傍で
湯気立つほどの血肉を享楽する