夏の夜の涼しさ

夏の夜の涼しさは四季を通じ参照されるのであって
寝床で感じられる手持ち無沙汰の代名詞である
いまは窓を開けようものなら凍えてしまうので
あの夜が羨ましい

日中に募る焦慮はついに爆発し
度を越した虚しさが仰向けの胸から溢れ出す
黒く重たいものが床に伝うと
同じく窓から入り込んだ冷気と触れる
すると両者は反応を起こし煙となって浮かんでゆき
窓を抜け星空へと帰ってゆく