神よ!

神よ!
どうしてあなたは
ガーベラの咲く花園に
彼女を一人残したのか

神よ!
おかげで私は
アスファルトを宛もなく
思い出を求めて歩かねばならない

「さようなら!」
溌剌とした声に振り向けば
花園の戸は閉ざされるその時であった

それが何を示すかも分からず私は
ぎこちなく笑顔を返すだけだった

神よ!
せめてあの戸を叩かせてくれ
叩かせてくれさえすればそれだけで
それだけで私は十分なんだ