見出し画像

【眼科コラム7】実は不思議な免疫反応?「水いぼ」

皆さまこんにちは。
眼科医師の多田です。
9月も下旬となり、ようやく暑さが少し和らいできましたね。
ここ何年か暑い夏が続いていますが、やっと暑さが少し緩和されつつある今日この頃です。

さて、今回のコラムは、皆さまのほとんどが子供の頃に一度はかかったことがある「水いぼ」についてお話します。水いぼの正式名称は、「伝染性軟属腫」といいます。

この水いぼに対して、私たちの体は不思議な免疫反応をします。

最初、水いぼの原因であるポックスウイルスが皮膚に付いた時、実は、なぜか体の免疫細胞が、このウイルスに対して反応を示していないのです。
この理由はまだ不明です。

そして、病変が皮膚の奥に進んだ際に、ようやく体の免疫が反応して病変を退治することになります。

私たちの体の免疫は、正常ならば、全ての病原体が体に侵入しようとしたら反応すると思っていましたが、実は、このような反応をする病原体がいるというのは驚きですね。

(Chen X et al, Lancet, 2013)


それでは、また10月に。
10月はもう少し健康的に過ごせるような気候になっていることを願うばかりです。